国をつくるという仕事

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国をつくるという仕事

  • 著者名:西水美恵子【著】
  • 価格 ¥1,650(本体¥1,500)
  • 英治出版(2014/04発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784862760548

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内容説明

【前・世界銀行副総裁が語る リーダーシップの真実】
貧困のない世界を夢見て・・・23年間の闘いから見えてきたもの
<p>◆初めて訪れたエジプトの貧民街。少女ナディアが自分の腕のなかで息をひきとったとき、自分の人生が決定的に変わった――。基本的な医療があれば救える病気で命を落とす子どもたち。想像を絶する貧困の一方で、富があふれる都会があり、貧しい人々の苦しみを気にもかけない政治がある・・・。衝撃と怒りで一睡もできなかった帰路、著者は貧困と闘う仕事に取り組むことを決意する。</p> <p>世界銀行に入った著者は、南アジア各国、アフガニスタン、パキスタン、バングラデシュなど数多くの途上国を担当。貧困地域に自らホームステイして現場の問題を探り出し、安易に援助を行うのではなく、地元のリーダーを支援することで自律的な貧困脱却を促す。民衆を顧みない権力者には、「それでもあなたは政治家か」と怒り、一歩も引かずに闘い抜く。現場を軽視した施策は改め、ほんとうに必要な支援を追求する。</p> <p>貧困や悪政と闘いつづけた23年間。それは、この世界を変えたいと願う、あらゆる職場のリーダーたちと共に歩んだ道のりだった。農民や村長、貧民街の女性たちや売春婦、学生、社会起業家、銀行家、ジャーナリスト、政治家、中央銀行総裁、将軍や国王に至るまで――。本書は、「国づくり」の現場で出会った本物のリーダーたちの姿を情感込めて綴った回想記であり、今なお貧困や悪政の渦巻く世界を変えていくための、未来に向けたメッセージである。</p> <p>◆著者・西水美恵子氏は、女性としても日本人としても初めて世界銀行地域担当副総裁となった人物です。貧困との闘いにおいて、現地の人々自身のリーダーシップを支援することで成果をあげた他、自ら貧村にホームステイを行うなど、つねに「現場」に根ざした「国づくり」を推進しました。また、各国の為政者と信頼関係を築き、時には喧嘩も挑むなど積極的に政治改革を支援。ブータン国王・雷龍王4世やパキスタンのムシャラフ元大統領はじめ、多くのリーダーのエピソードが本書に綴られています。貧困との闘いの一方で、世銀内部の組織改革にも取り組み、その手法はピーター・センゲ教授はじめ経営学界でも高く評価されています。</p> <p>◆著者の意向により本書の印税はすべて「雷龍の国」ブータンのタラヤナ財団に寄付され、貧しい家庭の児童の教育費等に役立てられます。</p>

目次

まるで一卵性双生児―インド、パキスタン
チャンドリカの癖―スリランカ
ああこの国はどうなる…―ネパール
カシミールの水―インド、パキスタン
偶然―トルコ、バングラデシュ、スリランカ
人づくりの奇跡―ブータン、パキスタン
男尊女卑?―インド、スリランカ、バングラデシュ
雷龍の国に学ぶ―ブータン
悲しい…―パキスタン、スリランカ
売春婦「ナディア」の教え―バングラデシュ、インド〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うりぼう

73
2010年、私のベスト4位。田坂さんと西水さんの対談の番組を観て圧倒された。著書を読み終える。世銀の組合員は、加盟国の国民一人ひとり、その草の根の民の声を聴くことから始まる。彼女は、本気であらゆるところに出かけてゆく。その声にその国の姿、リーダーの想いが見事に立ち現れる。こんなにも大きな仕事が、ミクロな検証に基づいて行われるのに、なぜ、名古屋市港区の地域福祉の仕事に区民の声が反映されないのか。リーダーの問題なのである。私の問題なのだ。ブータンというお手本があるなら、一歩でも近づけるため、町に出て声を聴こう2010/07/07

肉尊

52
世界銀行で副総裁を務めた西水美恵子氏の足跡をもとに、リーダーの資質について考察を深める一冊。リーダーには共感の精神が根底に必要であり、彼女自身、率先して途上国の農村地帯にホームステイをする草の根活動に取り組んでいた。世銀は専門分野の幅が広く一般職員の裁量権が大きいことで現地との摩擦も起こりやすい。彼女は世銀の意識改革を実践し、時に厳しい言葉を部下に投げかけることもある。世銀の株主は全世界の国民という認識から、途上国に融資してあげるのではなく、彼らが自主的に考え必要なお手伝いをさせていただくというスタンスだ2022/12/07

とも

35
とても感動した。ところどころ時代や場所が分かりにくいことがあったが、リーダーシップを考える上でとても勉強になった。 草の根で最貧困の現場に入り、料理をするかまどの煙での健康被害を受ける女性や子供達を見つけ、問題を解決していく過程で、女性の強さで地域や国を変えていく。西水さんが各国のリーダーとのやりとりは何度も読み返したい。 リーダーシップとは人に対する深い共感である。2020/12/02

すみれ

31
元世界銀行副総裁の著作。序文で目頭が熱くなってしまった。「貧困のない世界をつくる」夢を追う毎日を過ごすことの体現の書。貧村やスラムに入り共に過ごし、人々の切実な声を聞く。西水さん曰く「権力者の腐敗と悪統治を敵に回して戦うリーダーたちの補佐に徹した年月」 インド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、ブータンなどの国々の姿が立ち現れる。腐敗や搾取への怒り、人々の幸福を希求するリーダーたちの姿への感銘、悪政に屈せずに精一杯日々を過ごす人々への共感。草の根の行動そして国々と渡り合うスケールの大きな活動に感嘆。2019/09/15

Toshi

25
元世銀副総裁西水美恵子さんの回顧録にして、悪政、貧困、不平等への挑戦の熱きメッセージ。ただ、その想いを伝えるためとは言え、村の女衆との宴に興じ、悪しき為政者を倒すと息巻くって、茶化すつもりはないが、まるで「ワンピース」!世界はここまで単純じゃないし、世銀にも色々と問題はあるでしょう、今の自分の仕事に関わるエピソードもあり、内容としては学ぶことも多かったが、著者のあまりの一方的な熱量に、2、3歩、引いて読んでしまった。2021/12/13

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