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内容説明
私たちが見ている自然は本物の自然ではない!自然が好きなら人間の手を加えるな!里山保全、生物多様性、レッドデータブック、外来種排除、地球温暖化阻止、エコツアー、無農薬野菜……。「自然との共生」という美名のもとに蔓延する数々の運動・風潮のウソ・まやかしを衝き、自然と人間の真の姿をさぐった快著!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
49
太古の昔から環境も生物も常に移ろいゆく存在で、「里山や貴重な自然をいつまでも守ります」と言うような言辞は、いわば本人の郷愁に満ちた自然観から発せられたもの、と著者は言う。また、だれも環境の変化を食い止めることはできない、なぜなら今日の環境悪化を引き起こし、人間を滅ぼそうとしているものの正体は人間の本能そのものだ、とも記す。救いのない結論ではあるが、いわゆる「自然との共生」は人間のエゴの結晶であり、人間はこれからもそれを背負いながら生きてゆくしかない、という結論に触れるだけでも、本書を読む価値があると思う。2022/05/03
さきん
15
チェルノブイリ、ビキニ環礁、原発事故や水爆実験が行われた土地だ。さらに栃木県の南部に広がる渡良瀬遊水地、ここは足尾銅山の鉱毒を埋めたところだ。この3か所に共通するのは、その事故や実験が行われる前よりもいまや、信じがたいほどの多種多様な生き物の住処となっていることだ。その理由はただ一つ。「ここには、もはや人間が住んでいない」ということだ。著者は、人が環境保護に取り組むのは、人の利己心であるとまで言い切っている。2015/09/01
Kentaro
6
有害物質があってもお構いなしに、人間が住んでいないということで、自然が豊かに生まれ変わっていることである。人間にとって有害であっても、その前提下で、自然ははたくましく再生しているのである。人間は子供の頃の郷愁に浸り、昔見た自然を取り戻したいと躍起になるが、実は人間がいなくなれば自然は豊かに回復するという事実もある。 本書は人間が営む社会活動が実は自然を破壊し、土壌を豊かにすると異って焼き畑や焼き林で昆虫を死滅させ生態系のサイクルを壊しているか等を解説する。 自然との共生とは何かを考えさせられる内容でした。2018/06/06
のうみそしる
4
エコ・環境活動界隈の欺瞞や矛盾を切って切って切りまくる本書。とても冷徹で鋭利。人間は本能からは逃れられないので自己保存をやめることなど不可能。だってDNAに刻み込まれてるんだもん!論理的な終末論。しかし生命というくくりで見れば、それもまた盛者必衰のうちの一ページ。科学者を信じてはいけない。これを書いている著者はなんのために書いているのだろう?名誉欲ではなさそう。2019/09/09
うたまる
4
この本面白い。掴みから面白い。チェルノブイリ、ビキニ環礁などの跡地が今では動植物の楽園になっているという事実。そこから始まる「人間と自然の共生」についてのドライな論評。「保護の対象となるのは蝶や蛍などの美麗生物のみデスケド?」「そもそも今までも絶滅種はいたが自然に大して影響など無いデスケド?」「異生物との平和的な共生など生命の原則を無視した絵空事デスケド?」「人間の心も、翼や触覚と同じく生物の道具の一つに過ぎないデスケド?」。エコをエゴと断じ、共生とは”折り合うこと”と結論する。何と非科学的!何と現実的!2016/11/19
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