「私」を生きるための言葉 - 日本語と個人主義

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「私」を生きるための言葉 - 日本語と個人主義

  • 著者名:泉谷閑示
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 研究社(2009/03発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784327378158
  • NDC分類:810.4

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内容説明

すべての人間は、透明な言葉を生むようにできている―。
気鋭の精神科医が豊富な臨床経験をもとに、日本語に潜む神経症性を徹底分析。多くの“1人称で生きる”人々の例に学びながら、借り物ではない言葉とは何なのか、探求していきます。心の問題に関心のあるすべての人、日本語に使いづらさを感じている人、クリエイティブな仕事をしていきたい人のためにヒントとなる考え方を提供します。

目次

第1章 日本語と日本人(「あなた」とyouは同じか;普遍的人称代名詞を基盤とする社会 ほか)
第2章 「世間」と言葉―「世間」内言語について(モノローグ的世界;察する文化 ほか)
第3章 自他の区別(0人称の自他;「経験」からの逃避 ほか)
第4章 個人主義と利己主義(夏目漱石の「私の個人主義」;「個人主義」とは何か ほか)
第5章 日本語で「私」を生きるために(「主語」を立てると何が起こるか;一人称を生きる日本人の言葉 ほか)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

27
自分という存在がぼやけ社会が望む在り方をトレースして生きていくうちに生まれてくるモヤモヤ。なるほど確かにみんな主語を用いずに会話をしていることが多い。「私はこう思う」「私はこうしたい」と、きちんと自分を主体として会話をしなければ個を見失ってしまう。こちらの本のおかげで日本語ではもともと主語を用いないことが多いと知ることができたけれど、言葉は発するうちに自らに返り自らを再形成して血肉になっていくのだから、意識的に「私」を前面に出していかなければどんどん自分が薄れていってしまうのかな。難しく良い本でした。2019/11/05

左端の美人

13
泉谷さんの本はわたしには難しいし、何回もページを戻りながらでないと読み進められないのですが、ロジカルかつ奥が深い読み物です。少し時間を置いてまた読みたいです。会話に責任を負わない0人称から、一人称になるためには「人格」を確立することが大切。愛とは相手が相手らしく幸せになることを喜ぶ気持ちである。欲望とは相手がこちらの思い通りになることを強要する気持ちである。「普通がいいという病」もまた読みたくなりました!2016/08/03

りょう

9
普通がいいという病、に続いて著者が日本人が個の確立が遅れているのは、私ってちゃんと言わないこと、主語のない言葉を多用することがあるんじゃないかと、いうことから考えていくあれこれ。例えば会話でも、ちょっとした友だちとのラインでも、そーゆーことがいっぱいあるので、とても興味深い。言葉って大切、そしてとても難しい。2018/09/15

ゆうろ

5
日本の「世間」で成り立っており「世間」は同質を求めるタテ社会。物心ついたころから、他者が同質を求めることへの居心地の悪さを感じて生きてきたので、この本に書いてあることが腑に落ちる。この生きづらさの処方箋はこの本からは得られなかったが、労働する間は「世間」に飲み込まれないように付き合いながら、いずれは「世間」から離られるように準備することと、一人称で他者と対話することを実践していきたい。2021/08/08

砂王

5
日本語、日本人の対人関係について記してある。これが良いとか悪いとか言うつもりはないだろうけど、はっきりと日本人の日本語の現状を解いている。知っておくだけで、俯瞰的に日本で生活できるかもしれない。自立した責任ある人間でいたいね。2017/11/12

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