光文社文庫<br> 難儀でござる

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光文社文庫
難儀でござる

  • 著者名:岩井三四二
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 光文社(2015/01発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334745554

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内容説明

甲斐勢は、攻め入ってきた駿河勢の退路を断ち、二千の兵を勝山城で孤立させた。甲斐国守護・武田信直は、今川の使者である老僧・宗長に兵の解放の条件として二万貫文を要求する。甘利備前は宗長との交渉役を命じられる。だが、相手はのらりくらりと連歌に精を出すばかり――(「二千人返せ」)。歴史的事件の陰で理不尽な無理難題に振り回される男たちを描いた短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

木賊

16
アンソロジー『決闘!関ヶ原』収録の『敵はいずこに』が良かったので作者買いしてみた。短編8本収録。戦国時代、主従関係を中心に、上の者にお願いしたり説得しなければならない下の者達の難儀を描く。登場人物が皆人間臭く、オチも効いていて、いずれも大変面白かった。『二千人返せ』、宗長の交渉の知恵と、皮肉の効いたオチが良い。『蛍と呼ぶな』、京極高次の悲哀と滑稽さに、何とも言えない気分になる。この作者様の他の作品も読んでみたい。2016/12/21

マサキチ黒

11
岩井作品の入門書にして到達点。この一冊で著者は時代小説の転換点を作り出した。これ以上の作品が書けていないのは、そりゃあ仕方ないでしょう。「二千人返せ」が白眉。拙者、いっぱいいっぱいでござる(笑)。

yamakujira

9
「二千人返せ」「しょんべん小僧竹千代」「信長をくどく七つの方法」「守ってあげたい」「山を返せ」「羽根をください」「一句、言うてみい」「蛍と呼ぶな」の8編を収録。若き信虎に今川との交渉を託された甘利備前守、朝廷から法要費用の工面を命じられた山科言継、隣村の領主の横暴を主家に訴える名主など、どの物語の主人公も無理難題に悩みながら滑稽にも思えるのは、役目を果たすラストにほっとするからだろう。だから、高天神城に籠る上総介や、恵林寺で修業する湖南の物語に、運命の非情をよりいっそう感じてしまう。 (★★★☆☆)2021/10/27

ちゃーりー

6
再読、無理難題に翻弄される男たちのちょっと可笑しい右往左往、好みは「一句、言うてみい」あんな状況で凡人に言えるわけない、さすがは快川老師。2020/09/10

マサ

6
主人公が有名武将ではなく、中間管理職的な位置だったり、平の立場だったりして、その視点からの本音が随所に見えて面白い。登場人物が方言で語るのもまた素のままの感じがする。特に面白かったのは「山を返せ」で「三郎兵衛の仕事は終わらない。」にムフフフ…。2019/12/12

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