内容説明
おさな子の柔らかい肌。いたぶるのは麹町署生活安全課の刑事・友定伸。息子の雄介への暴力を止められない。ある夜、雄介が行方不明になった。託児所から抜け出した雄介を保護したのは女子高生の大原妙子。実父から性的虐待を受けていた妙子は雄介を紫音と名づけて、新たな生活を夢見る。夜の闇の中、焦燥と絶望が疾走する。馳ノワールが深化した!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
26
児童虐待の発覚を恐れつつ、失踪した息子を捜しながらも出会い系サイトで同じように子供を虐待する人妻と逢っては濃厚なセックスをしまくるというとんでもない刑事と、親に虐待されて育ってきた女子高生が刑事の息子とともに逃げまくる、実に馳作品らしい非人道的な物語。そんな話だからハッピーエンドなど望むべくもない。とにかく虐待をされる刑事の息子が悲惨すぎる。児童虐待のインパクトが強すぎてそちらの方に目が行きがちだが、これは馳星周版『マイン』だろう。単に「大きい人」という文字通りの大人たちばかりに嫌悪感を拭えなかった。2013/04/14
ぱどり
14
再読。苦しい本。 苦しい理由を考えると、私は独身で子どももいないし、子どもを「欲しい」と思ったこともない人間。なんでかっていうと、この小説の主人公たちの気持ちが痛く分かってしまうからと思う。 子どもを持つのが怖くなる小説。みんな、どんな気持ちで子どもをもうけるんだろう。2017/07/23
cebola6
5
虐待シーンに嫌悪感があって詰んでました。今日の昼に読み始め、いま読了。馳先生にしては深さを感じられないストーリーです。んー2025/01/31
terukravitz
4
図書館本 ★★☆☆☆2018/05/05
fff
4
児童虐待という題材がまったくエンタメ向きでない。『虚の王』や『クラッシュ』あたりからその辺のチンピラや援交女子高生といった、現代日本の荒んだ若者の話を書くようになったが、この作家本来の持ち味はマージナルマンの話を書くときにこそ発揮される。2015/12/22