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内容説明
「S」や「M」は淫靡なイメージを伴う性癖ではない。今や純然たる「性格」を表わす記号、その分類方法である。では本当のS的性格、M的性格とはどんなものなのか。「私はM」と言う人は、たいていMではない。SとMは正反対の性格ではない。ドS、ドMとの付き合い方は?……臨床心理士の著者がその奥深い人間性を分かりやすく紹介した好著。。
目次
はじめに 今どきの「S」と「M」
第1章 「S」と「M」の一〇〇年史
第2章 「S」つてこんな人
第3章 「M」ってこんな人
第4章 なぜ、人は「S」や「M」になるのか?
第5章 世の中、「S」と「M」ばかりなのか?
第6章 一人の中に「S」と「M」は両存するか?
第7章 「ドS」や「ドM」とうまく付き合う方法
おわりに なぜ、現代日本で「SとM」が流行るのか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
速魚
5
読みにくい。不幸話だけをピックアップする「ドM」は愚痴の洪水を引き起こす... なんだか自分?あぁ...おもいっきりSになってみたい。 ネガティブはそんなに悪いことでないという本を読んで 少し安心していたけど、ポジティブな方が周囲の方々も扱いやすいであろう。自分の性質を考えてしまいました。とほほ。2014/08/12
nobuoka
1
「サディズム」 と 「マゾヒズム」 の言葉の由来から、過去の学術的な位置づけの変遷、そして、現代日本での S と M の捉えられ方まで、わかりやすく説明されているのはよかった。 途中の 「S ってこんな人」 「M ってこんな人」 の事例紹介的なところはちょっと退屈だったり、筆者の仮説が多そう (研究結果への参照はあんまりない) とか、論理の飛躍が感じられる箇所が結構ある、というようなところは気になる。 まあ読み物の一種としては面白い2020/10/06
yukari
1
SやMを具体例を交えつつ定義していて面白い。そしてその定義はけっこう納得するものが多かった。最近個人の性格をSやMと言及するのが流行っているが、Sは精神分析学的Sとニュアンスがほぼ同じなのに対し、Mは精神分析学的Mとはニュアンスが異なるというのが面白かった。筆者曰く、SとMは同軸ではなく次元が違うもので、Sは競争心や攻撃性の傾向のグレードが高まったものであるのに対し、Mは罪悪感という高尚なものを理解した生き方のハウツーという見方は斬新だと思った。2016/06/04
有智 麻耶
1
最近の傾向として、SやMがセクシャルな意味を失い、パーソナリティを表すものになっているというのは感じていた。本書では、第一章でややアカデミックにSとMの歴史をまとめ、それぞれどんな人がいるか、どうしてそうなるのか、他の分類は無いのか、等を後の章で述べている。ドMについて、本来は自虐で場合によっては自分を破壊するほどのものであるのに、今どきのMは依存性と呼ばれるべきものだという部分が面白い。SとMについて理解が深まる一冊。2014/06/22
ラスコリ
1
「私はM」という場合のMは真性Mではなく、従属のMらしい。勉強になった。確かに不幸を全面にアピールされたり、暗いのは本気過ぎてこわい。 従属のMって可愛ね。2014/08/09