内容説明
“歌う生物学者”こと本川先生の待望のエッセイ集、第3弾!
「ゾウの時間ネズミの時間」だけじゃなく、「ヒトの時間」も「ナマコの時間」も、
生きものにはみな違う時間が流れている。目もなく心臓も脳ももたず、まるでお菓子の家に住んでいるようなナマコと、毎日虫かご並みの通勤電車にゆられてせかせか生きるヒト。
生きものにとっての本当の“しあわせ”とはなにか。ナマコを見つめて30年の著者が現代社会の大問題を生物学の立場から考えたエッセイ集。
目次
世界平和はナマコとともに(ナマコワールドへようこそ ナマコ学事始め ほか)
ヒトの時間と「少子高齢化」(生物学から「少子高齢化」を考える 可愛い心臓 ほか)
歌う授業で教育改革(歌う授業の生物学的基礎 寄生虫賛歌 ほか)
寿司サイエンスvsハンバーガーサイエンス(科学の違いを考えるためにまず宗教の違いから考えてみよう 東西の科学の違い ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
62
2016年818冊め。図書館でタイトルに惹かれて借りてきた。ナマコ研究者の著者によるナマコの生態解説は大変興味深くおもしろく読めた。しかし少子化や教育等に対する著者の持論が出てくる章はどうも頷けない。様々な雑誌に書かれたものを1冊にまとめたものということでが、「ゾウの時間・ネズミの時間」等、何度も何度も同じエピソードが繰り返されるのもエレガントではない。2016/10/10
シロクマとーちゃん
6
ナマコの観察と科学的考察からえた世界観・人間観を手をかえ品をかえ、つづる。同じことの繰り返しながら、文章が上手いので何となく読まされてしまった。この人の文章は、小・中・高の国語の教科書にまで載っているらしい。理科の教師でありながら、中央教育審議会の国語専門部会なるものの委員だったこともあるそうだ。すごいです。2016/06/28
seichan
4
「歌う生物学者」本川先生のエッセイ集。実は先生がナマコの研究をしていることは知らなかった。ナマコの再生能力の高さや、食べてる部分は皮膚であることなど、いろいろ面白くてまた別に本を読む予定。エッセイは重複もあるけれど、平易だけれど滋味深く、また「生きるよろこび」が伝わってくるので大変好きである。老いて生殖不可能になった世代は、広い意味での生殖(子育て援助や教育援助など)をしようというのは深く同意。2017/01/22
yooou
4
☆☆☆☆★ 軽妙な語り口に油断してはならない。芯は非常にしたたかでしっかりしているのでありました。まるで海鼠のように。2010/05/31
しまめじ
3
中身に先生がいままで作った曲が楽譜つきで入っているのがいい!歌うCD出したこともあるしね~(笑)。相変わらずユルいよ先生、ステキだ!2009/06/16