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内容説明
年収が低くても安心して暮らせる「福祉国家」の実情。雇用不安、経済危機、消えた年金、進む日本の社会保障制度崩壊。老後は年金だけで暮らせる、医療費・教育費は原則無料、失業保険は手厚い、誰もが安心して暮らせる「福祉国家」の実情とは。(講談社現代新書)
目次
第1章 一七・五パーセントの意味
第2章 ゆりかごから墓場まで
第3章 「低福祉・低負担ニッポン」
第4章 「クラウン・ジュエル」
第5章 ところで、若者は…?
第6章 長寿社会と福祉国家
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おおにし
15
福祉国家イギリスでは老人ホームも公費で入れますが、コツコツとローンを払って持ち家を手に入れたミドルクラスでは家を売却して自己負担を強いられます。家も貯金もないキリギリスさんの方がアリさんより最後はパッピーだったりするところは、日本とはお国の事情が大きく異なるのだなあと思います。医療の無料化を真似することは難しいとしても、所得格差が教育格差を生み出している今の日本の状況を打開するために、イギリスを見習って国公立大学の無料化を取り入れてほしいものです。2014/04/18
砂王
7
イギリスと聞くとなんかカッコいいイメージを想起するんですが、この本に書いてあるイギリスの内情を見ると、日本だけでなくイギリスも大変なのが伝わってきます。2015/12/02
父さん坊や
4
最近Kindleで買った。読んでみたら前にリアル書籍で読んでいたことに気づいた。それでも楽しく読めた。同じアングロサクソンを源流にしていても大英帝国とアメリカではこうも違うのですねー。オーストラリアの連中も「アメリカみたいな低福祉の社会に放り込まれたら怖いよ」と言ってました、そういえば。2018/03/23
kerokero_8
2
★★★★☆(星4つ) 他国の社会情勢を参考に出来る良書だと思います。 イギリスと言うと、「ゆりかごから墓場まで」で有名な高福祉・高負担社会です。 2011/08/12
鬼山とんぼ
2
英国の医療や教育システムを、ルポライター的な筆遣いで成り立ちから利点欠点まで生活者感覚で判りやすく語っている。同時にそれは日本の社会設計への丁寧なアドバイスでもあり、改善に手を付けようとしない歴代の政権に対する罵倒にもなっている。10年前の本が今でもそのまま通用するのはその間の政治の怠慢を意味しており、筆者の言う通り、低福祉・低コストの新自由主義で行くか、弱者に対する必要な福祉は用意するがそれに対する多大なコストを国民全体で担う社会民主主義の二者択一は、少なくとも国民全体で議論を開始しなくてはいけない。2019/01/14