内容説明
人気作家、赤川次郎が「ミステリー作家が、ミステリーについて評論めいたものを書くのは自分の首をしめるようなもの」と言いつつもトリックの手法、ストーリーの組み立て方など、処女作『幽霊列車』をはじめ、多くの自作を例にとり、手の内を披露。またドイル、クリスティ、カーなど、海外の名作の分析も交えた、ミステリー・ファンには必読の書。
目次
1 ぼくのミステリ作法“首吊りエッセイ”(背後に組織が…;わが処女作の記;人間が先か、ミステリーが先か;トリックのないミステリー ほか)
2 ぼくのミステリ作法“実作編”(ちょっとした密室;主婦に向かない副業;作家の裏口;密室の毒殺者)
著者の独り言
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
73
赤川次郎の雑誌へ連載した随筆集。 ミステリマガジンという雑誌なので、話題は自著のミステリの作り方に関するものが多い。 他の著者の著作の感想や、作品の作り方に関する感想もある。 赤川次郎の書評を書くのなら、本人談を引用すればいいのでお手軽かも。 誰の影響を受けたのかを知るのにはよい。2012/11/20
再び読書
17
赤川次郎の読書の傾向がわかると言う意味で面白い本。作家を目指している(目指せるわけも無い)わけでは無いので、実際の執筆に関しては、あまり興味がわかなかったのが実感。終盤の短編が、やはり面白かったというのが、本音。ファンの為の本である事は間違いも無く、ファンに取っては安心出来る内容とも思う。でも楽しく読める本だった。2014/03/10
Chili
10
赤川さんって結構、軽い印象があるけどちゃんと本格古典も読んでる。下地がしっかりしてるから、沢山書けるんだろう2019/07/30
Jima
9
中高生の頃はまった作家さん。死者の学園祭の冒頭、飛び降りシーンからひきこまれた読みやすいサスペンスは活字の楽しさを教えてくれた。三毛猫、三姉妹探偵も好きでした。今も続いてるのかな。本書で例にあげた電話が鳴るシーンひとつっとても、視覚を意識した描写は氏の真骨頂。スカスカにみえる紙面も初心者にはテンポがあってよかった。本書では読書家でもあったことがわかる一冊。ひきだしの多さには必須だ。近年社会派も描くらしく東京零年など読みたい作家さん。戦後生まれだけれど近年の政治情勢を憂うらしくその方向のものは読みたいかも。2016/11/13
ギルヲ
6
創作についてのエッセイとそれにあわせた注釈付きの短編小説4編が収録されてます。かつて赤川次郎氏のことを「天才ではないか」と書いたのは筒井康隆氏ですが、犯人を決めてないどころか、謎すら決まってない状態で書き始めて作品が完成してしまうのだから天才としか言いようがない。軽いタッチで、なんかすごいことがサラッと書いてある本でした。古い本なので、最新版も書いてほしいなあ。2022/08/09