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内容説明
政治家として自民・非自民の双方から敬意を集めた後藤田正晴。旧内務省官僚、浅間山荘事件など治安の総帥として指揮を執り「カミソリ」と呼ばれた警察官僚を経て、内閣官房長官時代には自衛隊海外派遣に強く反対した。律儀で真摯で明瞭な生き方を振り返り、氏の歴史的普遍性に迫る。
目次
序章 峠の記憶
第1章 現実をみる少年の目
第2章 国家への素朴な問い
第3章 自立した旧内務官僚の道
第4章 治安の総帥としての素顔
第5章 「指導者の黒子」という衣
第6章 官房長官の闘い
第7章 政治改革とその時代
終章 幻の「後藤田内閣」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おさむ
46
あの田中角栄に見出され、自民党のタカ派政治家として知られた後藤田正晴の評伝。生と死の間を彷徨った6年に及ぶ従軍体験、戦後の警察官僚や内閣官房副長官としての歩み、還暦を過ぎてからの政治家人生。甘ったれた最近の政治家とは違い、自らの経験と信念に基づく「一言居士」の言葉には説得力があります(と言ったら褒めすぎか)。この評伝を読んだ後藤田本人から「情緒的すぎる」と言われたと保阪氏が著書の中で書いてましたが、そんなことはありません。適度に取材対象と距離を保った良い評伝だと思います。2017/04/03
hiyu
5
生意気な表現になるが、非常に筋の通った印象。太い芯があり、信念があり、「徹する」ことの偉大さが読み取れる。氏の官僚の位置づけに対する見方も非常に納得できる。有り体になるが、今の世の中を、政情を、どう表現するだろうか。2019/07/19
中島直人
4
ブレない、まっすぐな生き方に圧倒される。若い時からエリートとして遇され、自らも指導者としての自覚を持っていたからこその存在なのでは。今後、こんな凄い人はもう出てこないのではないか。2014/11/21
ななっち
1
ぶれない、決断がはやい、という意味では今の日本の政治において学ぶべき点のある政治家なのではないかと思います。また内務官僚の歴史という点で、その系譜の流れの大先輩でもあるので、ああ、そうだよなあと省としての文化として共有するところがあります。2012/11/12
hayatama
1
一言で言えばバランス。さらに言えば権力の暴走への危惧。これが後藤田を稀有の官僚であり政治家にしたものであろう。2009/09/04