内容説明
学問の世界に潜む「未解決問題」という名の悪魔。そいつは、人々の好奇心を刺激し、学問の発展を担う一方で、人々を魅了し狂わせ、数多くの人間の人生を飲み込んできた。フェルマーの最終定理は、そのなかでも、もっとも恐ろしくかつ巨大な力を持つ悪魔である。数学なんてつまらないと思っているアナタに贈る情熱的学問入門! 大好評「哲学的な何か」シリーズ第2弾!
目次
第1章 悪魔的超難問―フェルマーの最終定理(偉大なるアマチュア数学者フェルマー 盲目の数学者オイラー ソフィーの冒険 ラメとコーシーの戦い クンマーの指摘)
第2章 未解決問題という名の悪魔(ヴォルフスケール賞 証明ブーム到来 悪魔に魅入られた男)
第3章 数学の構造と限界(数学王ガウスとボヤイ親子 ヒルベルトプログラム ゲーデルの不完全性定理)
第4章 図書館から始まる物語(谷山=志村予想 謎の数学者ブルバキ ラングランズプログラム フライの楕円方程式)
第5章 屋根裏の大いなる挑戦(アンドリュー・ワイルズ 谷山=志村予想の証明に挑む 世紀の発表 ワイルズの苦悩)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ひこうき雲
50
面白い!単なる哲学書とはちょっと違う。フェルマーの最終定理に取り憑かれた数学者たちの物語。ひたすら真っすぐ、熱く、良い意味で少年ジャンプ読んでるみたい(笑)久しぶりに心震えました。やっぱり飲茶さんお勧め!2023/01/07
りんご
48
哲学要素はあんまり感じなかったかな。フェルマーの最終定理に囚われた学者たちの執念のお話でした。なんともドラマチック!フェルマーさんは1600年ごろの法律家。この人がノートの隅に書いた数学の定理を証明するのに、たくさんの数学者が命を散らしていった。マジで。生涯をかけて挑み、成果なく去っていった。恐ろしいですねー。【「谷山=志村予想を証明する」とは、「すべての楕円方程式が、モジュラー形式であることを証明する」ということである。】ほぼ呪文です。この意味わかんなくても大丈夫だよ。文章面白いんで。2024/02/01
小木ハム
39
常々『数学の公式にも様々なドラマがあるのだろう』と思っていましたが、この本はまさしく当たり。″フェルマーの最終定理″をめぐる天才数学者たちの物語で、360年越しの数学界の変遷がドラマチックにわかります。ワイルズが定理を証明したシーンは背筋がゾクゾクして思わず涙してしまった。先人の血を受け継いで過去の遺産を結集して遂にラスボスを倒したようなカタルシス。数学を勉強する導入にこちらを読んでおくとモチベーションが段違いだと思います。表紙はワイルズ少年とフェルマーの悪魔かな。2018/08/31
re;
31
知のバトンリレー。そんな言葉が思い浮かぶ。本著の軸となる「フェルマーの最終定理」に限らず、今私たちの身近にあるものは全て、知のバトンリレーを経てここにある。その分野に人生をかけた人がいて、その人一代では成しえなかったかもしれない0→1、1→10、10→100がある。子供たちのリレーを見てつい感動してしまうのは、一人ひとりの繋がりを感じるから。そして世界中にこんなにも繋がりがある。それは瞬間の煌めきを紡いだ宝もの。閃きを紡いだ知の結晶。名前も知らないすべての知の巨人にありがとう。繋いでくれて、ありがとう。2023/12/14
Uncle.Tom
19
再読・フェルマーが直感的にひらめく天才肌ということはフェルマーの最終定理から窺えるが‥。ここで最も重要なこと、それは数学という学問体系は歴史に名を残す数々の数学者の貢献の積み重ねにより成し遂げられている点だ。もちろんこれは数学分野にとどまらず、一般人の目標にもそういった箇所が見られる部分もあると思える。だが、その背後には数え切れないほどの惨敗者がいることだろう。そういった敗れ去った者たちの存在、人生をかけて追求していこうとした情熱的な人々の存在により、現代の偉大な学問体系・社会が成立することに感嘆します。2019/06/13




