創元推理文庫<br> 風の岬 高城高全集4

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創元推理文庫
風の岬 高城高全集4

  • 著者名:高城高【著】
  • 価格 ¥770(本体¥700)
  • 東京創元社(2012/04発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784488474041

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内容説明

麻薬密売にからむ轢死事件を追う捜査官が、製紙工場の廃液がにおう町で見た人間模様とは――「踏切」。ススキノに生きる男たち女たちが巻き込まれた交通事故の真相に新聞記者が迫る――「飛べない天使」。嵐の中、岬へ向かう男たちを待っていた運命とは――「風の岬」。新聞記者、麻薬捜査官、国境の海の謀略に巻き込まれた男たちや、歓楽街にうごめく若者群像。そして、北へ向かう追跡者たちに、戦後の闇をひきずる男の軌跡……。1960年から1970年にかけて、北の都・札幌を舞台とした作品を中心に、北海道で繰り広げられる人間ドラマを活写した作品群! 高城高全集、第4弾。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

26
高城高氏のハードボイルドは「赤い収穫」のような派手なドンパチもないがブラッディ・ドールのようなやけに魅力的な男達の信頼関係もない。それでも時に非情で時にメランコリックな北海道の凍てつく光のような描写が過剰を削ぎ落としたハードボイルドの良さをしみじみと教えてくれます。麻薬取締官が踏切事件の謎を追う「踏切」のある言葉が悲痛さ、「ある誤報」の痛烈な結末、「飛べない天使」の因果応報、「風の墓碑銘」のヤラレタ感、「ネオンの曠野」の若者の自分勝手な無軌道さ、「死ぬときは硬い笑いを」の悲愴さは逸品です。2013/03/25

まゆき

6
解説にもある通り高城高の筆になる「当時の風俗」(ここでは昭和三十年代)は古くない。硬くて乾いた筆致のせいと、北海道という土地(と時代)の描写がしっかりと読み手に感じられて作中に展開する事件の新古が気にならなくなるのだと思う。平成の今読んでも胸を打つものがあるし、来し方を振り返って知るべきものがあるような気にさせられる良作。2012/01/23

琥珀

3
ごつごつした文章のはずなのに、どうしてこうも読み続けてしまうのか。全集は本巻でとりあえず完結したが(別に新作刊行の予定あり)、全巻読めて本当に良かった。2008/12/01

自由浮遊社

1
全集最終巻のこれは、今までとは違った感じがある。特に最後の1篇は、道東ではなく函館を舞台にしているせいか、華やかな雰囲気を感じる。作者が筆を折らずに創作活動を広げていれば、函館を舞台にして、また違った趣の作品が書かれていたのでは?と思わずにはいられない。2015/03/26

Look

1
粒揃いの全集も、さすがに四巻になると質が落ちてくるか、と思ったものの、特に後半の作品の出来栄えは素晴らしい。世相の変化のためか、すこーしずつ筆が柔らかくなっていって、実にいい味を出している。休筆せずに書き続けていたら、と夢想せずにいられない。岬の二作もすこぶる良かった。2013/09/26

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