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内容説明
アメリカの金融破綻は、自由と民主主義の名の下に個人の飽くなき欲望を肯定し、グローバル化を強引に主導してきたアメリカ的価値の破綻でもあった。それに追随し、経済だけでなく政治、人心のあらゆる局面で崩壊の危機に瀕する日本。もはやアメリカとの決別なくして再生はありえない。今こそ、「私」ではなく「義」を、「覇権」ではなく「和」を是とする日本的価値を、精神の核に据え直すときなのだ。今日の危機に早くから警告を発してきた思想家があらためて問う「保守」という生き方。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
momogaga
50
キャチーな題名ですが、手に取って本当に良かった。「保守」の持つ意味を考え直すことができました。現在、「保守」と言う言葉は多用されていますが、日本の持つ様々な特色を生かしきれていないのでは。新型コロナ対策でこそ「保守」の発想で対応することがあるのでは。 2021/05/09
momogaga
38
積ん読解消。2008年購入。キャチーな題名で手に取りました。そして、いつものように積ん読していました。あらためて民主主義の日本を考え直すいい機会となりました。2020/04/11
mitei
32
自由と民主主義を突き進めると危険なことを警告した一冊。日本では自由と民主主義といえば無批判に賛成するという感覚が戦後から続きおかしくなっていると主張。確かに戦争で戦死した方たちが今の世の中をどう思うかという視点が欠如してると実感した。2011/07/28
たまきら
26
非常に興味深く読んだ。著者が感じているアメリカ追随型の”自由民主”政治への幻滅は、世界が抱えている問題だと思う。ただ、この「保守」という考え方、鎖国にもつながりかねず、正直リスキーにもなると思う。すべてはやはり、その国に適応したシステム構築が重要であり、そのための「保守」を語っているのだろうか。う~ん。国際社会で交渉していく上での戦略を立てる上で、あまりにも内向きだなあ…と寂しく感じた。2020/09/24
だいすけ
9
列強に伍していくために明治維新は必然だった。先の大戦で負けたのも宿命だった。西田哲学など理解が及ばない箇所もあるけど、もう少し経ってから再読したい。グローバル化につながる構造改革の本質は生産要素の市場化との指摘は分かりやすかった。2017/11/27