〈支援〉の社会学 現場に向き合う思考

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〈支援〉の社会学 現場に向き合う思考

  • 著者名:崎山治男/伊藤智樹/佐藤恵/三井さよ
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 青弓社(2014/07発売)
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  • ISBN:9784787232915

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内容説明

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犯罪被害者、被災者、介護職、保険制度の利用者、認知症、障害者…。困難を抱える当事者とそれを支える人々の経験を、どのようにすくい取ればいいのか。それぞれの現場に向き合ったうえで、回復や解決を安易に叫ぶのでもなく、現実から目を背けるのでもなく、制度から排除される人々に寄り添うことがいかに重要かを明示する。

目次

序 章 〈支援〉の社会学に向けて 崎山治男


第1部 語ることと聞くこと

 第1章 語り手に「なっていく」ということ――輻輳する病いの自己物語 伊藤智樹
  1 「回復の物語(the restitution narrative)」の生き難さ
  2 アンビヴァレンス
  3 内なる他者としての「回復の物語」

 第2章 起点としての「聴く」こと――犯罪被害者のセルフヘルプ・グループにおけるある回復の形 佐藤 恵
  1 「聴く」他者の不在
  2 「聴く」他者=ピアになるということ
  3 「聴く」ことと内省

 第3章 「死別」への社会学的接近のために――「段階論」の批判的検討から 水津嘉克
  1 「死別」の〈意味〉を問うこと
  2 「死別」と「段階論(悲嘆のプロセス論)」
  3 「段階論」の何が問題なのか
  4 根源的「喪失」としての「死別」の再認識


第2部 支援実践への接近

 第4章 「人として」の支援――阪神・淡路大震災において「孤独」な生を支える 三井さよ
  1 「孤独死」との直面――「受け入れてくれなかったら存在できない」
  2 「人として」かかわる――「話を聴く」方へ
  3 「話を聴く」ことから展開される支援活動
  4 「最後まで生ききる」――瞬間を積み重ねていく支援

 第5章 繋がっていかない利用者への支援――ソーシャルワークにおけるナラティヴ・アプローチの可能性 荒井浩道
  1 繋がっていかない利用者
  2 ケアマネジメントの射程
  3 ナラティヴ・アプローチを用いたソーシャルワークの実践

 第6章 死別の感情を生き抜く技法――死別に直面した介護職たちの語りから 三橋弘次
  1 概念装置と背景的知識の確認
  2 「泣くな」
  3 「あなたを選んだ」


第3部 「支援の社会学」を再考する

 第7章 心理主義化と社会批判の可能性――感情を欲望する社会/社会を欲望する感情 崎山治男
  1 心理主義の展開と支援――社会学の心理主義化
  2 心理主義に汚染される自己――感情を欲望する論理
  3 心理主義批判の困難――自然と作為のはざまで

 第8章 医療の論理とどう対するか――認知症ケア実践での医療批判再考 井口高志
  1 先駆的な実践の背景
  2 医療の何を批判してきたか――精神科臨床に基づく医療批判
  3 居場所づくりの実践からの医療批判
  4 医療批判から学ぶこと――関係と療法のあいだで

 第9章 当事者性の(不)可能性――ディスアビリティ・スタディーズの存在理由 星加良司
  1 ディスアビリティ・スタディーズ成立の背景
  2 当事者性の含意
  3 共通経験としてのインペアメントとディスアビリティ
  4 当事者性の内在的な学術的価値
  5 当事者性の道具的な価値


あとがき 佐藤 恵

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふにゃ

2
私が考える社会学とは、どれだけ自分の確固たる足場を揺らしてくれるかということにある。本書は「支援の社会学」をさらにメタなレベルで考察する「〈支援の社会学〉の社会学」をテーマとしており、きわめて社会学的な本であった。/現場の重視と開かれた問いをもち続けること。自分の立場を補強してくれる本であると同時に、自分が日常生活の中で行っていること(心理主義への偏り)を反省させられる本でもあった。/自分の考えていることの一歩先にすでに誰かがいるということを思い知らされる、とても良い本。2013/06/20

YASU

0
対人援助論が個別の関係性や当事者性に流れ過ぎてはいないか,という視点から,あえてそれらに批判的に支援論が論じられている.が,ではそれらと,本書の論点がどう違うのか,さらに深化が問われるのではないかと感じた.2020/02/08

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