- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
毒にしても薬にしても、人類との関わりは、きわめて長く深い。古くから人類は毒を避け、効能のある物質は活用してきた。そして、それらを合成することが可能になってからは、良きにつけ悪しきにつけ、その使用法は無限に拡大している。しかし、実は、同じものが毒にもなれば薬にもなる。本書は、ソクラテスの飲まされた毒から、錬金術、ドーピングにいたるまで、古今東西の毒や薬をめぐる秘話・逸話を紹介するものである。
目次
第1章 古代の毒と薬(地球と毒・薬の誕生
古代エジプト・ギリシャ・ローマにおける毒と薬
古代インド・中国における毒と薬
古代日本における毒と薬)
第2章 中世の毒と薬(魔女と毒草
大航海時代の毒と薬
ルネサンス・錬金術・科学と化学の曙 ほか)
第3章 近世の毒と薬(『本草綱目』と本草学の発展および南蛮医学の導入
近代医学・薬学黎明期における毒や薬にまつわる発見・事件
近代有機化学への出発)
第4章 近代の毒と薬(病原微生物学の誕生と発展
近代薬学および有機化学の誕生と発展
種々の疾病に対抗する療法の黎明)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たぬ
25
☆4.5 この手の本はまず目次をじっくり眺めるんだけどその時点ですでに興奮状態でね。いざ本文を読み始めたらとーっても面白くて。様々なタイプの毒や関連する人物、歴史上の出来事、動植物に鉱物などなど盛りだくさん。ちょうどコーヒーの飲みすぎによる急性カフェイン中毒で苦しんでいたこともあり尚更興味深く読めました。明日まで開催中の特別展「毒」(※昨年12月に行きました)とも組み合わせたらさらに楽しいだろうね。2023/02/17
ユウユウ
18
#読了〝毒と薬が歴史を作った〟 2021/07/21
ぱなま(さなぎ)
18
世界史に対して毒と薬の果たした役割、というよりは、人類が毒と薬をとおして世界を発見していく道程についての本だった。そしてまだその途上にある。摂取にリスクがあるのは確かだが、化学の進展がなければここまで生き残っていなかったかもしれないのもまた事実。生活と感情に気を取られていると忘れそうになるけれど、わたしたちは体内のミクロな世界で繰り返される化学変化によって生かされている、ということに思いを馳せる日々だ。2020/04/29
Arisaku_0225
15
毒と薬は人に作用する科学物質という意味では表裏一体であり、毒にも薬にもなる物質というのは数多くある。我々人類は古代から科学物質を利用して来た訳だが、何となく効果があると思われるという古代から近世までの経験的な認識からの転換点が見えてくる近現代は特に興味深い時代だと感じる。現代では週に約3万もの新規化合物が記載され、遺伝子治療などで治らない病気も治るようになりつつある時代だが、その光の影では薬害や公害、テロなどにも科学物質が関与する時代でもある。科学物質を知ることは言わば世界を知ることに繋がる……かも?2024/04/09
ゆあん
14
図書館にて。特別なことはないけどわかりやすい本。入門編にいいかな?でも作者もいっている通り世界史…ではないかな?(笑)2015/07/29