内容説明
福永幸一は帰宅途中、美貌の女性・藤宮さやを暴漢から救った。衰弱していたさやを福永は自宅で看護する。やがてひかれあい、結ばれるふたり。だが翌朝、さやは福永の許から消えた。童謡詩人・金子みすゞの詩集から切り取った一片の詩と置き手紙を残して――。数年後、金子みすゞの本を持っていた少女の母親が殺される。本の中には福永の名前が書かれた紙片が……。警視庁捜査一課・棟居弘一良(こういちろう)は再び人間の宿業と対峙する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
達ちゃん
27
人と人とのつながりとそれぞれの人生が交錯する様はさすがに読ませます。棟居刑事の活躍もあり、なかなか面白かったです。2021/09/08
tellme
16
「人間の証明」と思って借りたら、まさかの別物!!現代版になってるのかな…?いろいろ裏を考えながら予想したけど、考えすぎて損した結末(^_^;)話に無理がある部分が多かった気がする。2016/10/27
007
8
実際、こんなにいろんなことが繋がってるわけない、と思いつつ、現実でも知らぬところでいろんなことが繋がってるいるのかも。2017/10/08
たんたん(休みます)
7
2004年12月3日 この小説は犯人を推理すると言うより、人間模様を描いた小説。母から捨てられ、父を殺された棟据の想い、犯人の想い、被害者の想い、社会的地位のある両親を持った子供たちの想い、田舎に住んでいる娘の想い。いろんな想いがあった。 さらに、ひき逃げ事件も絡んできて、そこでもまた人間模様が。妻を盗られた男、妻を盗った男が複雑な想いを持ちながらも力を合わせて犯人を探し出す。棟据の人間の心に賭けた取調べに犯人は落ちて、やはりそこには愛があったのだ。と、ホッとした。2005/01/01
焼きそばん
5
図書館で人間の証明を探していたら、21世紀版があるのを知り、借りて読み始めました。森村誠一は中学と高校の時以来でした。テイストは変わらず、少し大きな世界観になりすぎるが、最終的には何組かの親子の話につながる部分など時代背景を焼き直した改訂版のようでした。やはり、オリジナル版を読みたくなり、またその角川映画が見たくなりました。2016/01/25