新潮新書<br> 源氏物語ものがたり

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新潮新書
源氏物語ものがたり

  • 著者名:島内景二【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 新潮社(2012/03発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106102844

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内容説明

いつ書き始められ、いつ書き終わったのかもわからない。作者の本名も生没年もわからない。それなのに、なぜ源氏物語は千年もの長きにわたって、読者を惹きつけてきたのか? 本文を確定した藤原定家、モデルを突き止めた四辻善成、戦乱の時代に平和を願った宗祇、大衆化に成功した北村季吟、「もののあはれ」を発見した本居宣長……。源氏物語に取り憑かれて、その謎解きに挑んだ九人の男たちの「ものがたり」。

目次

第1章 紫式部―すべては謎の覆面作者から始まった
第2章 藤原定家―やまと言葉の美しい本文を確定
第3章 四辻善成―古語の意味を解明し、モデルを特定
第4章 一条兼良―五百年に一人の天才による分類術
第5章 宗祇―乱世に流されず、平和な時代を作るために
第6章 三条西実隆―鑑賞の鋭さと深さで人間の心を見抜く
第7章 細川幽斎―源氏が描く理想の政道のあり方を実践
第8章 北村季吟―本文付きの画期的注釈書で大衆化に成功
第9章 本居宣長―先人の成果に異議を唱え、「もののあはれ」を発見
第10章 アーサー・ウェイリー―美しい英語訳で世界文学に押し上げる
おわりに 紫式部との対話

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

72
図書館本。今年の大河ドラマ関連特集。 源氏物語とそれを取り巻く9人の男たちのものがたり。 源氏物語って小学校の教科書に出てくる(そういえばウチの小学校の同級生が源氏物語の作者名を光原人なんて回答して問答無用でバツつけられた)割には悪文なのですね。悪文もなにも日本語自体が論理性のない言語だから…(汗)。個人的には論理的合理的でせめる一条兼良が共感できる。しかし幕末歴史小説を読むにあたり本居宣長も捨てがたいのです。2024/02/11

パトラッシュ

64
演劇に上演史があるように文学にも研究史がある。誕生以来1千年に及ぶ源氏物語には時代ごとに研究が積み重なり、それ自体がひとつの歴史だ。紫式部の本文を確定し、言葉や語彙の意味を調べ、たやすく触れられるよう注釈を作成する。新たな解釈でアプローチし、美しい英語の文章に翻訳していった。これらの作業が営々と続けられた結果、源氏は広く人口に膾炙して世界文学の古典として認められるに至った。いわば源氏を愛し、源氏に取り憑かれた人びとの列伝だ。文学を軽視する空気が強まっているが、日本文学を理解しないで日本人たり得るだろうか。2021/04/25

kei302

42
NHKラジオ「古典講読」で連続して(年間かな?)『源氏物語』を取り上げているのを偶然聞いて俄然興味を持った解説を担当する研究者氏の著書。現代語訳本に目が行きがちだけど、多くの人が研究している『源氏』。個人でする研究とは言え、正にチーム“プロジェクト源氏”。言語の変化、風習の衰退等ありで、解説なしでは理解できないこと多しと実感した次第。2024/07/13

はちめ

8
源氏物語が藤原定家以降、脈々と解釈されてきた歴史が紹介されている。現代日本における源氏物語受容に最大の影響を与えたのは本居宣長だが、そこに至る経緯を理解することができる。そして、本書には詳しくは紹介されていないが、本居宣長の解釈をを現代に伝えたのは小林秀雄ということになるのだろう。本居宣長の業績はもちろん画期的なものであったが、この呪縛を越えたところに紫式部の創作意図につながる新たな源氏物語解釈が可能になるのだと思う。☆☆☆☆★2022/05/18

maekoo

8
源氏物語の謎を究明しようと挑んだ定家から宣長そしてアーサー・ウェイリー等平安時代から現代までの偉大な挑戦者達の人物像やその時代背景や残した業績と後の研究者たちへのバトン 湖月抄の命名の由来や宣長がその増注に貢献した事等源氏物語研究にまつわる様々な現在に至る成果がその時代のものの考え方を含みながら学べます 戦国時代の平和を希求する心と物語が融合していた事実等新たな源氏物語を再発見できる名著です 和歌を詩ととらえ文学的な美しい作品に仕上げたウェイリー英訳が世界に広げた事は物語を多角的に捉える上でとても大切です2020/06/25

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