- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
山好きで知られる池内紀が、のんびりと出かけたひとり登山の二〇の山々。
ひと味もふた味もちがう山の味わい方。
目次
幻の魚―大雪山(北海道)
キリストの里―戸来岳(青森県)
別天地通信―乳頭山(秋田県)
同行二人―早池峰山(岩手県)
蔵王堂の杖―日本国(山形県・新潟県)
天狗のお土産―那須三山(栃木県)
体力測定―温泉岳(栃木県)
越後の旦那さま―八海山(新潟県)
岩峰天ヲ突ク―男体山(茨城県)
駿河姫の里―立処山(群馬県)
月もろともに―八丈富士(東京都)
にわか修験者―独鈷山(長野県)
山眠る―秩父御岳山(埼玉県)
中高年パラダイス―籠ノ登山・水ノ塔山(長野県・群馬県)
凡夫と聖人―七面山(山梨県)
山で一泊 麓で二泊―燕岳(長野県)
雲上ホテル―蝶ヶ岳(長野県)
罪障消滅―雪彦山(兵庫県)
黄金の山―剣山(徳島県)
海の門―開聞岳(鹿児島県)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雲をみるひと
10
池内紀による山に関する登山記、エッセイ。登場する山は必ずしも有名な山ではないが、実地経験や作者にとっての来歴が含まれており作者には思い入れがあることが伝わってくる。逆に言えば私的すぎる嫌いもするが、当該作者好きなら納得できる内容だと思う。2020/01/04
riko
5
★★★★★2023/07/20
kinta
4
著者らしい、低山であってもその素晴らしさを余すと来なく洒脱に伝えるエッセイ。山は高さではないことを民俗学的にも温泉学的(笑)にも、そして人情的にも訴える。さすがはいつも鞄に下着と温泉用タオルが入っている御方である。そして、このタイトルを「一つと也の山」という、壮大な造山活動の話か、と思った愚かな読者がここにいる…2021/09/28
鉄鍋
1
著者の本業だからこそ思わず行ってみたくなる肩の張らない山々の紹介描写が軽妙ゆえ別に百名山に拘る必要もないと納得させる。洒脱なエピソードも想像するのに難解なこともないし見つけた本のなかでも秀逸だった。2015/07/08
yamakujira
1
有名な山の隣の山へ、のんびりと向かう。探検でも挑戦でもなく、楽しむための山歩きを味あわせてくれる。30編の中には有名な山もあるが、ご愛嬌。初登攀を競う時代は去り、現在の日本の山を歩く紀行文のひとつの形だと思う。 (★★★★☆)