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内容説明
崩壊寸前の欧米型金融システムを横目に、原油高を背景にして年々躍進を続けるイスラム金融。リアルな経済活動に根ざしているがゆえの強みについて、斯界の第一人者が考察する。
目次
プロローグ イスラム金融とは何か
第1章 イスラム金融はなぜ伸びる
第2章 イスラム金融の基本を理解する
第3章 イスラム金融取引の現場
第4章 イスラム金融とシャリアの精神
第5章 日本はどう関わるか
エピローグ イスラム金融はなぜ強い
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Francis
5
長い間積読していた本。最近耳にすることが多くなったイスラム金融の入門書。イスラムの宗教法とされるシャリアの利子禁止、豚肉、アルコールの禁忌を避けるために考案されたイズラム金融だが、実は30年ぐらい前に始まったばかりだったとは驚き。イスラム金融には信託、事業投資、頼母子講、共済システムなどイスラム圏以外でも活用されている概念に似ているものがあり、シャリアに適合させるためというよりもむしろ資金を用いて経済活動を活発化させることが目的である、と言うことがよく理解できた。2015/10/26
雲をみるひと
2
10年前に書かれたイスラム金融の概要解説書。基礎的なことにしか触れられてないが、よくまとまっておりわかりやすい。 イスラム金融商品と一般の金融商品の差はほとんどなく、イスラム金融商品とは金融商品をムスリム向けにカスタマイズしたものだということを理解できたことは収穫。機会があれば現在のイスラム金融市況や具体的な商品の詳細についても知りたいと思う。2018/05/17
tfj
1
イスラームは利子の取得(資本の増殖)を教義で禁じている。そこでイスラム金融は、非イスラム金融の商品と同じような性質の金融商品の取引を利子の取得に当たらない様に工夫し、イスラム法学者がシャリーア適格を認証することによって実現している。 実現方法は多数あり、例えば運用者は事業者に出資しつつ配当という形で利潤を受け取る(ムダラバ)など。しかしこの方式では事業者が損失を出せば出資者も損失を被り、この点で日本の民法(消費寄託)と本質を異にするなど、イスラム金融に参入するにあたっては、日本の法整備が求められる。2022/01/22
影実
1
金利の概念を用いない、教義で禁じられている事業(豚肉やアルコール等)への資金提供をしないといった特徴を持つイスラム金融の2008年頃までの動向について解説した一冊。基本的な技術的スキームを図付きで解説しているだけでなく、背景にある思想にも触れており、入門書として良くまとまっている。イスラム金融の本質が資金を用いて実体経済の活発化を図ることであるという指摘は大変興味深かった。また、SRIとの比較も面白い。ESG投資の影響の有無も含め、イスラム金融の世界・日本での現状についても勉強したい。2021/03/23
葉
0
イスラム金融とはイスラムの教義に基づく金融で豚肉やアルコール事業には資金提供しない。利子はとらない。このような少し閉鎖感のあるような金融だと読み始めて感じたが、急成長の影には需給それぞれのサイドからイスラム金融のみの利用をムスリムがしないことや他者の運用を委託するスキームとしてのムダラバやリースとほぼ同じなイジャラというものがあることがわかり、それほど遠い存在ではないことがわかった。また、イスラム金融と日本の結びつけの例として、東京海上グループのタカフル事業者やイオンクレジットサービス(マレーシア)による2014/05/04




