内容説明
「人を殺して来たの」と、美樹の部屋に訪ねてきた同級生雪乃は妊娠していることを理由に、ずるずる居続ける。殺人者を匿っている秘密を、美樹は別れたばかりの不倫相手の妻暁子に知られてしまう。身体も環境も大きく変わるアラウンド・フォーティーの女性たち。その心理が思わぬ事態を引き起こす傑作サスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワレモコウ
53
再読本。美樹の元に、「人を殺してきた」とかつての同級生の雪乃が訪れる。しかも彼女は妊娠していた。ズルズルと匿うことになった美樹のところに、別れたばかりの不倫相手の妻・暁子がやってきて話がややこしくなっていく。雪乃の出産までは匿ってあげたい美樹の気持ちの揺れ動きや、夫のかつての浮気相手・美樹に対する暁子の心情の変化などが、面白く描かれている。さらに暁子の姑秀子と小姑みどり、美樹の実姉早紀のキャラもパンチが効いている(笑)アラフォー女性の心理がテンポ良く描かれていて、一気読みだった。2020/09/21
ぐーたら
38
こんな上手くいくかよー‼('ε')人を殺し、最後に弟の形見である金魚にエサをやるため同級生宅を訪ねてきた女。孕んだ彼女をしぶしぶ匿うことになる。女の敵も味方も結局は女なのだ。匿う事以外にも独身、夫の浮気、介護に高齢出産、四十女達の悩みが盛り沢山。自首する前に何する?好物食べる!家族にあう!とかではなくカラーして整形する女もいるという。殺人だと10年ぐらいは出られない。メイクはおろか、年取れば白髪は野放し……というヤマンバみたいな自分の姿を想像したらゾッとした。絶対ブタ箱には入らん(´ー`)ムリ。2017/02/09
きのぴ
20
久しぶりに再会した同級生・雪乃が「人を殺してきた」と家を訪ねてきた。美樹はそんな雪乃を一晩泊めることにしたが…。美樹の不倫相手の奥さん・暁子も絡んできて二転三転する展開にこれはどうオチをつけるのだろう、上手に纏めることは無理じゃないかと思っていたけれど、まさかの方法で切り抜けた彼女たちにもはや拍手です(笑)新津さんの作品は女のドロドロした部分が描かれている印象が強かったけれど、この作品は団結した女の強さが光っていたように思います。女って強い!2022/07/19
恋空
17
「人を殺してきたの」と美樹の部屋に来た同級生 雪乃。さらに妊娠しているという状況。そして美樹の不倫。不倫相手の妻と義母。。それぞれ身体も環境も変化していく中で雪乃は無事出産。先が気になり一気に読みました。新津きよみさんの作品 久しぶりですが、やっぱり好きです。2025/06/17
らす
16
マンションを購入した美樹の部屋に殺人を犯したという同級生がずるずると居座ってしまう。同居者以外の女性も絡んでこんなことあり得ないだろうの連続だけど、女同士の微妙な感情が面白い。誰にも共感は出来ないけど、女の嫌な部分と強さがハラハラするストーリーに上手く絡んで楽しめた。2019/04/11




