内容説明
神話伝説の時代から南宋滅亡までの中国の歴史を1冊に集約した『十八史略』。「臥薪嘗胆」「鶏鳴狗盗」「三顧の礼」など、そこには人生を生きる知恵が煌めいている。太公望、韓信、孫ピン、諸葛孔明、関羽をはじめ躍動する多彩な人物、飛び交う権謀術数、織りなされるさまざまな悲喜劇――。簡潔な記述で面白さ抜群、中国の歴史・文化理解のための必読書。(講談社学術文庫)
目次
学術文庫版刊行に当たって
序
総 説
第一章 太古──神話の時代
第二章 五帝──堯と舜と
第三章 三代──殷周革命
第四章 春秋 1──呉・越の戦い
第五章 春秋 2──魯と孔子
第六章 戦国 1──田氏斉の盛衰
第七章 戦国 2──燕と秦
第八章 秦代──始皇帝と秦の興亡
第九章 前漢 1──悲運の英雄・韓信
第十章 前漢 2──武帝とその時代
第十一章 後漢 1──光武帝の登場
第十二章 後漢 2──三帝の時代
第十三章 三国──三国争覇の歴史
第十四章 唐代──則天武后
第十五章 宋代──南宋の滅亡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
にいたけ
34
700年前に編まれた中国の歴史書「十八史略」。日本で言えば「古事記」「日本書紀」のようなもの。中国人よりも日本人の方が読んでいる不思議な書物。「項羽と劉邦」「秦の始皇帝」「三国志」等の概略本と言えばわかりやすいか?この本は中国歴史の解説を加えたエッセンス本で「流れ」を確認する本。「十八史略」自体は殺し殺されの中国歴史が学べとても面白いので完本を読む時の参考書にした方が良いと思う。2024/10/06
roughfractus02
11
原書は子供向けの歴史入門書であり、18の正史を要約したものだという。が、長い時間をかけて4517名の登場人物を描き分けた歴史人物事典であり、名句辞典にもなるという教育的特徴は、宗までの中国史だけでなく人間自体についても考えさせる。邦訳である本書はそのダイジェスト版だが、原文の漢語の訳と語釈が詳細で、各エピソードに関する訳者の的を得た解説は、抄訳でも神話伝説の時代から南宋の興亡に至る長大な歴史背景を垣間見せてくれる。日本でも著名な太公望、諸葛亮、関羽らの名句と明快な逸話が選ばれ、漢文にも違和感なく親しめる。2025/11/27
中島直人
8
十八史略は日本でのみ読まれているとは知らなかった。子供向けの漢文の学習書とは納得。2016/01/14
つかぬ間の休息
6
十八史略が漢文の勉強として主に日本で読まれていたは初めて知ったが内容を読んで納得した。本書は中国史入門書のさらに抄訳である。既にある程度知っている私からすると目新しさはなかったが、原文も平明で訳も然り。漢文の雰囲気と併せて味わいたい読者向けかも。2018/03/28
非実在の構想
5
『十八史略』自体が正史のコピペであり、且つこの本はその抄訳である。時代が下るにつれ記事の数が減っていき、唐と宋はひとつづつで不満。しかし訳と用語解説は丁寧で分かりやすい。正史を通読する時間も学力もないからこれから始めて『十八史略』の完全な訳、正史の気になるものを読んでいこうと思う。 ところで唐の則天武后の記事に、旧唐書・新唐書・資治通鑑には見えないと思しき話が載ってたんだが、曾先之は何に依ったんだろうか。2016/02/24




