角川文庫<br> ちっちゃなかみさん

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角川文庫
ちっちゃなかみさん

  • 著者名:平岩弓枝
  • 価格 ¥638(本体¥580)
  • KADOKAWA(2014/12発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041630174

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内容説明

向島で三代続く料理屋・笹屋の一人娘、お京もこの正月で20歳になった。しっかり者の看板娘として店をきりもりし、今や親が手を出すすきもない。舞い込む縁談を断り、親の反対を押し切って選んだ相手はかつぎ豆腐売りの信吉だったが、あっさり断られてしまう…。しっかり者の女たち、それゆえに悲しくもおかしい。平岩作品の醍醐味、豊かな江戸人情を描いた珠玉と呼ぶにふさわしい10編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スノーマン

29
短編のどれもが、まだまだ続きを読みたくなる余韻がある。《ちっちゃなかみさん》タイトルも中身もあたたかみのある話。《邪魔っけ》のしっかり者の長女の話も現代に通じるものがあるなぁ。《なんでも八文》も結構好き。嫁さんのみつが意地悪なんじゃなくて、放置してる婿さんが、何かしら性根悪くないか…と(笑)2016/03/12

文庫フリーク@灯れ松明の火

19
再読 10編の短編集なのに読むと濃厚。読んでいてつらくなる作品も多い。表題作『ちっちゃなかみさん』についてはネタバレになるので触れないが、せつなさと人情味溢れる佳品。『かわせみ』で使って欲しかったと思うのは欲張りか(笑) 『邪魔っけ』のラストの一幕。 おこうは夫の肩へそっと言った。「あたし・・・もう、邪魔っけなんかじゃありませんねえ」 「当たり前だ。この家の大事な、大事な女房どのさ」このセリフだけで、わずか36ページの作品が綺麗にまとまっちゃう(笑)2010/05/26

Artemis

14
どの話も人情味溢れ、何より皆命をかけて必死に生きている。必死さがあるから、そこに渦巻く感情も豊か。これだけ人間関係が希薄になっている現代だから、口約束で親子になれたり、損得勘定なしで夫婦になれる、そんな人らしい営みに憧れる。2018/04/18

ソババッケ

14
10の短編集、作者の初期(S35~46)の作品。ラジオ文芸館の「邪魔っけ」がきっかけ。初期の「遺り櫛」「猩々乱」「赤絵獅子」は歴史的背景が色濃い作品。次の「邪魔っけ」「ちっちゃなかみさん」「お比佐とよめさん」はほっこり系の人情もので好み。解説にもあるようにこの辺りで作風に大きな変化が、女性視点での心情を扱う物語が多くなる(作者の私生活の転機か)。その他の作品も含め、人の業(ごう)や性(さが)に切り込んだ物語が多い。そしてこの後(S48)捕物帳を一変させた「御宿かわせみ」に続くと思うとうなづける。★3.82017/01/19

ふみえ

9
どの作品もとても良かった。人情に心温まり、理不尽さに涙し、心意気に唸らされ、たっぷり楽しんだ。上手い作家さんだ。2016/05/11

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