PHP新書<br> 本質を見抜く力 - 環境・食料・エネルギー

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PHP新書
本質を見抜く力 - 環境・食料・エネルギー

  • ISBN:9784569701943
  • NDC分類:304

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内容説明

「(すべては情報という)社会でおそらくいちばん忘れられそうなこと、それはモノである。モノとカタカナで書くのは、私の場合には、ある対象があって、それが五感のすべてで捉えられる、という定義になる。……私は日本人で、人間を中心に考えるから、ヒトから見たモノ、それで社会を論じたい。以前からそう思っていた(養老孟司氏のまえがきより)」。 このような立脚点から養老氏が知見を論じ合うのは、ダム行政に手腕を発揮し、また地形やデータから日本文明の歴史を解き明かしてきた元国土交通省河川局長。石油高騰、温暖化、食料・水不足、少子化などの問題の本質に迫る。「日本人は既に一度エネルギー枯渇を経験している」「温暖化対策に金をかけるな」「小さいことが好きな日本は世界の見本になり得る」、さらに「自殺する人は傲慢」という卓見まで。戦う農業経済学者・神門善久との鼎談「日本の農業・本当の問題」も掲載。ものの見方、日本の見方を変える一冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

31
10年前の本だが、そこでの指摘はとても示唆的で奥深い。ただ、話があちこちに飛ぶので、趣旨が渾然になっているのが残念。そもそも人類の歴史とはエネルギーの争奪戦である。京都議定書に代表される炭酸ガスの削減は要は石油使用の削減であり、石油価格を高止まりさせてメジャーを儲けさせるのが真の狙い。だから数値目標に日本は従わずとも良い。資源がないから日本は列強の餌食にならずに済んだ。日本人は世界でも稀な昆虫好きな民族。利根川東遷という知られざる歴史‥‥。抽象的な言葉ではなく、モノから考える理系のお二人の思考は面白い。2018/10/19

akira

25
新書。 養老先生と国交省で河川局長をしていた竹村氏との対談。とても面白かった。 石油や地理を通じて出てくる前提知識が、まずどれも面白い。フォードの大衆車構想。埼玉に貝塚がある理由。奈良時代遷都の頻度が高いのは。やはり、その現象の理由を探るのは楽しい。 学校教育により、あるべき答えばかりを求めるようになった日本人。学問的な概念やデータではなく、実際のモノを見て、そこから考えていくということ。それが問題解決のための本質を突く。行き詰まりには、必ず理由がある。「答えを求めず、「ものの見方」を身につけよ」2015/06/14

tetsu

22
★4 養老孟司と竹村公太郎の対談集。エネルギー、食料、農業、水などの問題で示唆に富む内容。2017/01/31

モリー

20
解剖学の養老孟司氏と元国土交通省河川局長の竹村公太郎氏の鼎談。七つのテーマで語り合う。農業問題については農業経済学者、神門善久氏も加えた鼎談。温暖化、食料、少子化等の問題を概念ではなく、モノに則して考えることで本質が見えてくる。例えば、人類史はエネルギー争奪史であるとか、パレスチナ問題は実は水問題であるなどモノに則して考える事がいかに重要かに気付かされる。個人的には日本の農業の本当の問題に迫る第六章が興味深かった。マスコミが報じる欺瞞を神門先生の研究成果が見事に暴く。本質を見抜く力がほしい方にお薦めです。2018/08/04

Yukicks

17
エネルギーについての本質的な議論。経済や社会を語る上で見逃されてきた視点を得ることができる。目からうろこの記述が多数。 2013/05/18

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