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内容説明
人間本来無一物。いちど死に切って楽になれ。正真正銘の「正味」の生き方の真髄を異色の名僧が語る。京都仏教会を束ね、物言う禅僧として世界レベルで行動し、伊藤若冲の「動植綵絵(さいえ)」展などを催した承天閣美術館の館長としても名高い著者が、その数奇な人生の中で禅の心と共に培ってきた正味の生き方。そこには、現代の迷う心を解き放つ知恵が満ちている。覚えておきたい禅語・仏教用語解説つき。【目次】はじめに/第一章 禅って、なんやろ?/第二章 人を育てる/第三章 人を動かす/第四章 文化を育てる/第五章 生きること、死ぬこと/あとがき
目次
はじめに
第一章 禅って、なんやろ?
第二章 人を育てる
第三章 人を動かす
第四章 文化を育てる
第五章 生きること、死ぬこと
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
16
諸行無常ということを言葉だけではなく真から自分に馴染ませて生きていくこと。生きていく上での多少の浮き沈みも幸福も不幸もあっという間に過ぎ去っていく。自分自身も世界も全ては流転し一瞬たりとも止まることはない。ならばその一瞬に拘り続けることにどんな意味があるんだろうか。変わり続ける外部世界に目を向けて一喜一憂右往左往するばかりではなく、自分の内面に深く深く沈み込み掘り下げて日々を生きていくということは穏やかさを与えてくれてきっと救いになる。全ては苦しみに満ち満ちた生を楽にするためのテクニック。偉大な発明だ。2020/05/08
ひめぴょん
7
著者は臨済宗相国寺派管長をされていて、数奇な人生の中で自分で勉強し経験したことを元に積極的に活動されている様子が伝わってきます。平易な言葉で分かりやすく、それでいて多くの経験に裏打ちされた含蓄のある内容があります。そうした境地に近づきたいと思いつつ読みました。自分自身の中から出てくるどうしようもない悲しみに対しても。健全な心をもっていれば、抜け出す方法を自分の力で見つけられる。美しさを発見する喜びが助けになる。人間が生きていくうえで何が重要かを徹底的に教える。今何が必要で、どう行動すべきか明確に指示するこ2021/05/12
大先生
4
少し禅が分かった気がします。人間は「本来無一物」、何も持たず無の状態で生まれて来て、そして、何も持たず死んでいく。だから、その間のことに執着する必要はなく、自由なのだと。比較的有名な話ですが、雲門文偃禅師のコトバは面白いですね。お釈迦様は生まれてすぐに天上天下唯我独尊と言ったらしいかど、私がその場に居合わせていたら、叩き殺して犬に食わせてたであろうよって…他の宗教ではあり得ない話ですが、禅って本当に自由ですね。2020/05/23
Michi
4
生きていくことが修行なのだとつくづく思う。死を恐れなくなるなんて今の私には、とても考えられない。2017/08/14
Yasushi I
3
禅の心を分かりやすく書きながら、生きていく日々での気持ちの持ち方、考え方を教えてくれる。関西弁で軽快な文体も読みやすさを助けてくれている。全ては無だと悟ること、すなわち生きながらにして死に切ること。凡夫の私にはたどり着けそうもない境地だが、努力しなくてはと思い立たせてくれる良本。2019/03/26