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内容説明
M&Aとは、mergers & acquisitions の略語です。会社を合併したり買い取ったりするという意味ですが、日本では通常「会社買収」と呼ばれています。この本で私たちが目指しているのは、「会社買収」のあり方についてできる限り根本的なところから考え直し、国富の最大化という立場から、理論的にも実務的にも望ましい「会社買収ルール」を提示することです。そのために、まず私たちは経済学と法律学の原点に立ち戻り、会社という制度の第一の存在理由は、それが会社に対して付加価値を生み出し、国富の増進に貢献することであるという視点を打ち立てました。そして、その視点から、会社買収の本質とは何かを考え直してみたのです。必要なことは、国富の増進という目的に向けて、良い経営者が選ばれ、悪い経営者が選ばれないための公平で効率的な買収制度を設計することなのです。この本で提示する「会社買収のルール」は私たちが行ったそのような試みの結果です。私たちは、それがグローバル化した資本主義の中でも「世界標準」として通用するものであると信じていますが、最終的な判断は読者にゆだねたいと思います。
目次
第1章 「資本鎖国主義」VS「株主至上主義」
第2章 アメリカ型ルール導入の実験と失敗
第3章 TOB価格による決着の問題点
第4章 株式会社の本質と会社買収
第5章 新しい会社買収ルールの創造
第6章 資本主義の変質と会社買収
第7章 種類株式の可能性
第8章 気概を持ってルールづくりを
特別対談―良い株主が、良い経営者を選ぶ、良い買収の仕組み
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