内容説明
「東京裁判のすべての訴因について、日本は無罪である」――東京裁判に参加した“唯一の国際法律学者”であったパル判事はどのような理由によってこのような判決に至ったのか。『パル判決書』は東京裁判や大東亜戦争のみに関係するのではない。それ以前の、まさに昭和前半史ともいえる貴重文献なのである。これなくして、日本の近現代史を語ることはできない。本書は、難解な文章、膨大な量である『パル判決書』から、重要ポイントを抜き出しながら要約し、さらに解説を加え、読みやすくしたものである。『パル判決書』を何度も読み込み、東西の歴史や時代背景に精通した渡部氏によって、いま『パル判決書』がよみがえる!
目次
東京裁判を覆す資料<br/>儀式化された復讐<br/>隷属に抗する戦争<br/>日本は侵略国だったか<br/>却下された証拠<br/>共同謀議はあったか<br/>満洲事変<br/>人種差別<br/>東條内閣<br/>日独伊三国同盟<br/>最後通牒<br/>正義の秤<br/>「東京裁判史観」から「パル史観」へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田山河雄
1
今読み終えました。2008年の初版本(絶版)です。パル判決に関する書籍が他の書籍も含めて絶版になっているのは何故なのか。購入される方が少ないとの理由の他に、何かあるのでしょうか。このパル判決書が昭和3年からの我が国の歴史を概観するのに大変適切である旨著者より記されていました。それが妙にそして強く印象に残っています。長年のモヤモヤしたものがそれで解けるかもとの期待の半面、講談社学術文庫のあの分厚い「パル判決書」を果たして自分は読めるかと、心配になってしまいます。だらしがないのですが、いつかは…、そう考えたい2019/05/17
トッド
1
キーナン主席検事は極東国際軍事裁判所条例(チャーター)作成に参加していた。フィリピン判事はバターンで捕虜になった者だった。公職追放(学者・ジャーナリストは復帰できず)後の戦後日本で偉くなった人の主流は戦前の左翼たちであり、保守的な論調をメディアで取り上げる事はなく封印されて今に至る。侵略者とは敗北した側の指導者である。広田内閣時の陸海軍大臣の現役制復活が陸軍の権力増大を招いた。人種差別思想はオランダのプロテスタントから。日本人にとって『パル判決書』の意義は、昭和三年以降の歴史を検証してくれた点にある。2016/09/24
k.t
1
東京裁判の判事のひとりであるパル判事が東京裁判やあの戦争をどう理解したかがわかりやすく解説されている。彼の東京裁判での判決は、あの裁判の中で唯一、法律に則ったものであり、論理的に展開される。日本の侵略戦争という印象が強いが、決してそうとは言い切れないことも丁寧に説明されている。著者が言うとおり、パル判決書は全員が読むべきものなんだろうと、思った。2015/07/20
tom
0
私情をなくす難しさと同時に現在でも世界中で多く存在する 政権が変わったりしたときに起こる前政権や戦犯(とよんでいいのか)の裁判についても 考えさせれた2013/05/13
空手折紙
0
東京裁判でA級戦犯全員無罪の判断をしたパル判決書をよみとく。国際法の見地から純粋に判断するパル判決書はその内容を見ていくと至極当然のことが書いてある。パル判決書では証拠提出について書かれているが、日本側に有利な証言・証拠はほとんど却下され、検察側の証言・証拠は伝聞証拠であっても反対尋問を得ないでも採用したという。判事は戦勝国で固められ、判事が従う規則はキーナン主席検事も関わったという。法律学をかじっていれば、いかに不公正な裁判か分かる。ただちょいちょい挟まれる著者の個人的見解、推測が邪魔。2012/02/15
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