内容説明
人の出会いは本当に不思議。父親より1つ年上の男性と結婚した女子高生、亡き妹との約束を胸に恋の遍歴をつづける女性バーテンダー、兄の妻に密かに想いをよせる青年……人が人を想う気持ちや、こんなに好きなのに相手にうまく伝えられないもどかしさ、そして別れへの怯え。性別も年齢も異なる6つの恋愛ドラマは、登場人物がさり気なくリンクして見事な円を描いてゆく。恋愛まっただ中の人も最近恋してない人も、ページをめくる度に恋したくなるオムニバス恋愛小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶんこ
66
自分の、道徳観というか考え方がガチガチだという事に気づかされました。 6編の短編では最後の明信さんと千鳥さんのカップルだけがホノボノとしていて共感できました。 その他は不倫だったり、生徒と先生だったり、高校生の飲酒だったりと、文章としては綺麗なのですが、内容を考えるとちょっと怖い。 小手鞠さんの解説が野中さん大絶賛なのに驚きつつも、価値観が似ているのでしょうか。 しかし、他の方々の感想を拝見すると、自分のガチガチ振りが際立って恥ずかしいのですが、正直な感想を残します。2016/02/04
森の三時
43
すごく好きだという気持ち、あまやかなふれあいの幸福感、ゆるくふわっとしたおおらかさ、時々チリチリとする切なさ、そんな恋愛を描いた短編集でした。恋は多様性がありますね。純粋に人が人を好きになることは素晴らしいことであってそれ自体には優劣や善悪はないと思っていますので作者の恋する気持ちの表現を楽しめました。(父親より年上の男性と結婚する女子高生、先生と付き合う男子高校生の恋、既婚者の恋などが描かれていますので、その関係性を道徳や価値観で裁いたり嫌悪する人にはおすすめしません。)2020/06/24
はる
33
好きすぎて何回目の再読だろう…。 野中柊さんの切ない甘い恋の書き方すごく好きで、いろんな本を読んでも好きな彼女に戻ってしまう。 野中さんの本他にも再読してるけどいつ読んでも身に染みる。2020/05/25
Moemi
32
再読です。様々な恋模様が描かれた連作短編集。自分の父親よりも年上の男性と結婚した女子高生を描く「オニオングラタンスープ」や女教師と男子高生の恋愛を描く「光」なども好きですが、一番印象に残ったのはお互いに恋人のいる夫婦を描いた「運命のひと」です。「だけど、別れない、ぜったいに」という一言に静かな恋の狂気を感じます。そして亡くなった妹との約束を果たすために行きずりの関係に身を任せる女性を描いた「イノセンス」では、男性が女性に花束を渡して求愛する場面がすごく好きだなと思いました。2017/01/05
ワニニ
26
お昼休みにササッと読めてしまいますが、ひねくれモノの私でも、めずらしく読みながらドキドキドキドキしました。それは、あまりに純粋・直球だからからなのかな?と。いろいろな方々の寄せ集め的印象も受けますが、ここまで無垢な世界だと、突っ込めないや~。(関係的には、イケナイものもありますが)2014/06/11