内容説明
筑摩書房元取締役営業局長の名物コラム
●出版業界のインフラ整備に尽力した、故・田中達治氏が軽妙につづる「出版流通思想」
●筑摩書房の書店向け「蔵前新刊どすこい・営業部通信」に1999年~2007年まで掲載されたコラムを収録
●書店、取次、出版社……出版流通に携わるすべての人のテキストに
●「版元ドットコム」の若手出版人有志による詳細な脚注、索引付
目次
1999年8月 共有書店マスタが出発
1999年9月 自動発注考
1999年10月 筑摩書房のホームページプロジェクト進行中
1999年11月 不安が蔓延する出版業界の存在意味
1999年12月 古書が紛れて返品されたら
2000年1月 自動発注考Part2
2000年2月 取次・柳原書店の倒産
2000年3月 またまた倒産
2000年4月 決算を前にして
2000年5月 ホームページがオープンです〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nobu23
6
ちくま書房が書店向けに出していた情報誌に載っていた連載を書籍化したもの。 書店システムや業界向けのネタが多いが、わかりやすく、一話一話が簡潔で読みやすい。2020/08/15
モルツー
3
書店員や出版社営業部員を始め、業界にいる人全員の役に立つ知識満載。しかも分かりやすく読みやすい。この著者は、いまの出版会のインフラにとても尽力した人なのだと改めて偉大さを感じた。「大変なアイデアマンでありかつ実行力も抜群だった」と解説にあった。そんな人物を目指したい。2015/03/08
すずちう
3
純粋に読み物として面白かった。ぼく自身は小売業としての書店が好きな人間なので、けっこう共鳴できる話も多かった。しかし、田中氏のような先達の努力もあって、出版流通の仕組みはこの数十年でかなり進歩しているのだと思うけど、それでもなお追いつけない世の中の変化というのはすごいなと思う。書店業界のレベルが下がってるみたいな話は、そもそも自分みたいな人間でも居られたくらいだから、やっぱりそうなんだろうなと感じる。2012/03/21
むらこ
3
本がどんなふうに書店へ並ぶのか。 そして書店から出版社へ返されていくのか。よくわかりました。 やっぱり学者(?)みたいな人の本よりも、実際に働いている人が語るコトバはわかりやすいです。(学者の本読んだコトないけど) 私のようなただの本好きは、出版というと作家、編集者、本屋さんというイメージばかりですが、営業の人や在庫管理の人がいないと読みたい本も本屋さんに届かない。 また、本屋さんに行くのが楽しくなりそうです。2011/02/13
にがうり
2
1999年から2007年の筑摩書房の営業部通信をまとめたもの。著者は同社の営業部隊を率いた田中達治氏。版元の編集者モノは数多ありますが、営業担当の視点でこれだけ鋭くユーモラスに業界に斬り込んだものは初めて。残念ながら著者の逝去により、執筆は2007年で止まっています。2008年以降も下げ止まらない出版業界の現状や未来について、著者ならどうとらえて通信に書いたか。続きが読めないのが残念です。2013/11/28