内容説明
競走馬としてデビューしたタカラコスモスは、その期待に応えることはできなかったものの、乗馬用として引き取られた日本獣医畜産大学の馬術部で、素質を開花させることに。1990年の全日本学生馬術大会で優勝を果たすなど「女王」と呼ばれるほど、憧れの存在になっていた。しかし、馬の失明原因で最も多いとされている「ぶどう膜炎」を患うと、障害の飛越はもちろん、日常の生活にも支障をきたすほど、視力を低下させてしまう。大学では懸命の治療を施したが、症状の回復は難しいと思われた。なんとか彼女に活躍の場と考えていた馬術部の顧問・山内は、目の治癒に適した温泉が十和田にあることを含めて、青森県立三本木農業高校の藤森に引き取りを願う。しかし、ここでもタカラコスモスは「目の見えない暴れる馬」として藤森はもちろん、誰の手にも負えなかった。そんなある日、藤森は新たなパートナーとして1年生の華苗を指名する。(見えないのなら、私がコスモの目の代わりをすればいい)華苗は暑い日も寒い日も懸命に世話を続ける…。
目次
第1章 十和田で(タカラコスモスの出産;競技馬の「女王」に;「女王」の失明;タカラコスモスと藤森先生;「一緒に帰ろう」;失敗に終わった温泉治療)
第2章 通い合うこころ(華苗、タカラコスモスに出会う;いうことを聞かない馬;馬術部の、そして冬の厳しさ;「私がコスモの目になる!」;タカラコスモスの「旅」;開かれたこころ)
第3章 別れの日(タカラコスモスの仔、モスカ;ある「別れ」;「最後の競技会はコスモと」;バイバイ、モスカ)
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