内容説明
競走馬としてデビューしたタカラコスモスは、その期待に応えることはできなかったものの、乗馬用として引き取られた日本獣医畜産大学の馬術部で、素質を開花させることに。1990年の全日本学生馬術大会で優勝を果たすなど「女王」と呼ばれるほど、憧れの存在になっていた。しかし、馬の失明原因で最も多いとされている「ぶどう膜炎」を患うと、障害の飛越はもちろん、日常の生活にも支障をきたすほど、視力を低下させてしまう。大学では懸命の治療を施したが、症状の回復は難しいと思われた。なんとか彼女に活躍の場と考えていた馬術部の顧問・山内は、目の治癒に適した温泉が十和田にあることを含めて、青森県立三本木農業高校の藤森に引き取りを願う。しかし、ここでもタカラコスモスは「目の見えない暴れる馬」として藤森はもちろん、誰の手にも負えなかった。そんなある日、藤森は新たなパートナーとして1年生の華苗を指名する。(見えないのなら、私がコスモの目の代わりをすればいい)華苗は暑い日も寒い日も懸命に世話を続ける…。
目次
第1章 十和田で(タカラコスモスの出産;競技馬の「女王」に;「女王」の失明;タカラコスモスと藤森先生;「一緒に帰ろう」;失敗に終わった温泉治療)
第2章 通い合うこころ(華苗、タカラコスモスに出会う;いうことを聞かない馬;馬術部の、そして冬の厳しさ;「私がコスモの目になる!」;タカラコスモスの「旅」;開かれたこころ)
第3章 別れの日(タカラコスモスの仔、モスカ;ある「別れ」;「最後の競技会はコスモと」;バイバイ、モスカ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさしぶり
17
「おいで!」今まで声に反応すらしてくれなかったのにタッタッって駆け寄って来る。ジワ〜とくるね。農業高校馬術部員と目が見えなくなった競技馬の記録。動物とのお話ってほろりとする。『ノラや』がまた読みたくなりました。2019/10/27
Shiho
2
30分もかからなかったかな?おもしろくて悲しくてあったかくて一気読み。コスモは不幸な馬だけど不幸じゃない。幸せだ!2015/02/06
148cm
0
病のため視力を失った元競走馬(牝馬のサラブレッド)と、高校で馬術に打ち込む女子高校生の、絆の話。 馬は賢い。気高い。久しぶりに、のりたくなる。2018/06/13
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