内容説明
アランの「哲学史」――といっても、均等な時間区分に従って哲学者とその思想を概説し、展覧したものではない。エッセイ風の哲学案内でもない。古代ギリシャから、デカルト、スピノザ、ライプニッツ、ヒューム、カント…アランはそれぞれの哲学者たちから、ひとつの「精神」を抽出してみせる。それらは、みずからの宇宙を完結しているようでいて、つぎの精神へと扉をひらき、道をつける。おのおのの「精神」を珠として、一本の糸で貫いたような趣がある、不思議な、小さな書――。圧巻は、その糸を留める要をなすオーギュスト・コント。現実のなかに身をおき、その支配をうける人間が堅牢で普遍の外的秩序を無視するとき、その知性はあてのない混迷に陥る――コントの実証哲学をつうじて、20世紀の形而上学的迷走を厳しく指弾する。
目次
タレスとイオニア学派
ピュタゴラス
エレア学派
ヘラクレイトス
エンペドクレス
アナクサゴラス
原子論者たち
ソフィストたち
ソクラテス
プラトン
アリストテレス
ディオゲネス
ストア派の人々
エピクロス
キケロ
宗教的な哲学について
デカルト
スピノザ
ライプニッツ
ヒューム
カント
オーギュスト・コント
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かわかみ
1
古代ギリシャの自然哲学者たちから始まってカントに至る著名な古典的な哲学者について述べているのだが、それら哲学者の思想を承けて、哲学史の締めくくりの地位を与えられたのは意外にも社会学の始祖の一人オーギュスト・コントである。アランが過去の哲学者の思想を一括りにして「人間嫌いな」形而上学として批判したかったのかどうかはわからない。ただし、個人の頭のなかで抽象的な思弁をこねくり回すべきではなくて、人間はそもそも社会的な存在なのだ、現実的な実証を踏まえてものごとを考えるべきなのだと言いたかったようである。2018/04/30
鈴
0
アランの素描によって哲学者の姿が立ち現れては消えていく。ボルヘス好きな人はアランも好きそう。後半はオーギュスト・コントに充てられている。学問は社会学に至り、社会学の側から前半の哲学者たちの思想を振り返っている、のかな。2013/02/02
ちあき
0
用語解説や人物紹介をそぎ落とした、明晰な思考と批評。こういう本で哲学のおもしろさに気づく若い人がもっといていいんじゃないかな。2008/10/07
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