内容説明
「俺がやりたかったのは本当にこの仕事なのか」。2つの銀行が合併したメガバンク、WFB銀行に勤める松下遼。旧態依然とした体質、派閥同士のいがみ合いが蔓延する行内。ある事件をきっかけに、遼は買収ファンドへの転職を決意する。ところが最初の仕事は、婚約者の父が経営する会社へのTOB(買収劇)だった――。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫陽花
42
金融再編と村上ファンドやホリエモンが世間を騒がせた事象をモデルにした作品。当時の経済状態を分かりやすく描いていると思います。ただ、単調すぎるかな。人間関係が拗れるとなかなか元のようにならないと思います。前半で拗れた人間関係が終盤であっと言う間に修復して、ハッピーエンド…。2020/03/22
PEN-F
39
タイトルとは裏腹に一切不当な買収ではなかったな🤔 なんかもうちょっと違法に裏で暗躍しちゃうみたいなスリリングな展開を期待したが、どっちかっていうと微笑ましい感じすらしたな😊 このタイトルの不当とは人情的なものを言っているのかな?🤔 まあどっちでもいいけどとにかく面白かった♬。2022/04/25
まつうら
29
村上ファンドやライブドア事件に着想を得た作品と聞いて手に取ったが、彼らの活躍はほとんどなくてちょっと期待外れ。この物語は、エノモト加工を巡るTOB合戦を描いたものだが、消耗するだけのTOBの仲裁役として、江角という、村上世彰をモデルにしたと思しき男が立ち上がる。。。仲裁役と言えばカッコいいが、江角はそんな柄じゃないような? それに、江角ファンドの利回りを考えるなら、仲裁じゃなく、もっとTOB合戦を煽らなくちゃいけないんじゃ? 著者は三方一両損の大岡裁きと説明しているが、金融小説としてはなんだか違和感。2022/03/21
ゆうさん
12
日本初のペイオフ実施した日本振興銀行最後の社長となった作家さん。社長就任のもっと前に書かれた作品の様です。内容はざっくりと企業買収とその関係者の恋の話。M&AやMBOなどを解説しながら話が進むので判り易かったし勉強になった。会社の情報ダダ漏れであったりタイミング良過ぎ感もあり、ラストで手を抜いた感もあるがこの展開は好きだ。ハッピーエンドが良かった。この作者の作品も読み漁ることにします。2017/03/10
crazy cool joe
12
いい話で小さくまとまった感じ。もうひとつ欲しいところ。読みやすいだけに残念。あと彩みたいな女いるのか。もうちょっとリアルな女を登場させて欲しい。2014/12/18