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内容説明
夏目漱石、吉田健一、宮部みゆき、ジュリアン・グラック、ラヴゼイ……。古今東西様々なジャンルの「本」39冊を独自の視点観点で紹介する。ブックガイドとしてだけでなく、『大人のための残酷童話』『パルタイ』といった名作を残した著者自身の作品世界、その背景までをも垣間見ることのできる究極の読書案内。
目次
夢十夜―夏目漱石
灰燼/かのように―森鴎外
半七捕物帳―岡本綺堂
鍵・瘋癲老人日記―谷崎潤一郎
冥途・旅順入城式―内田百〓(けん)
雨月物語・春雨物語―上田秋成
山月記・李陵―中島敦
火車―宮部みゆき
百物語―杉浦日向子
聊斎志異―蒲松齢〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
231
「私は批評家ではないから」、好きでもない作品を批評したり、価値づけを与える必要もない―というスタンスで倉橋が選んだ38の作品群。冒頭が「夢十夜」で始まるあたりは如何にも倉橋らしい選択。総じて日本文学は、内田百閒といい、吉田健一といい茫洋としたものを好むようだ。ミステリーなども含まれるのだが、見渡したところ、アメリカ文学が1つもない。ポーあたりなら入ってもよさそうなのだが。そういえばロシア文学も。イギリス、フランスにはややマイナーなものも選出されている。どうやら、彼女の偏愛する作家や作品は遍在するようだ。2015/01/15
KAZOO
53
私はこの本は、小川洋子さんのようにアンソロジーかと思っていましたが、ご自分の好きな本についての読書論でした。わたしとかぶる本が結構あるのですが、ちょうど真ん中ヘンのところのフランス文学は知らないものが多いのですが、それについてはほかの本よりも倉橋さんは詳しくご自分の作品との関連で論じられて大変興味深く読ませてもらいました。また北杜夫の「楡家の人々」の感想を読んでまた読んでみたくなりました。2015/01/31
zirou1984
40
ものすごくまっとうな書評集。自分の好きなものを丁寧に語りながらも、受け入れ難いものはばっさりと拒絶する。それは好き嫌いのようでありながらも、背骨がびしっと通った明晰な言葉は毒を持ちながらも一切の濁りを感じさせない。著者の前ではお気に入りの書物は磨かれた宝石のように輝いており、そのカットの魅力を知的に刺激的に語る口上もまた眩しいくらい輝いている。その語り口に夢中になりながらも気付かさせられる、本は好き嫌いで読むものではないのだと。心ゆくまで偏愛し、その世界に溺れるように潜り込んで初めて応えてくれるのだと。2016/05/23
harass
36
この作家の最晩年に出た本。読書エッセイ集。よく聞く名作ばかりかと思っていたが現代ミステリー作家が多く出てきて驚いた。宮部みゆき、J・アーチャー、ハイスミス、ラウゼイ、ゴダード。この著者に欠かせないカフカ、カミュの作品についてももちろん書かれている。ほかにも手を伸ばしたい作家を見つけた。時期が違うが数冊読んできたこの著者のエッセイとくらべると非常に読みやすい。洒脱といえばそうだが枯れ切った風な印象がある。勝手なことだが個人的に物足りなく思ったところもあった。2014/11/30
やいっち
27
推奨されている作家や作品で、漱石(夢十夜)や鴎外(灰燼)、谷崎(鍵や瘋癲)や内田百閒、上田秋成、中島敦、宮部みゆき(火車)、マン(魔の山)やカフカ、モームやオースティン、サキ、太宰や三島、渋澤竜彦や吉田健一などは、読んだことがあるし、自分の好みとも重なる。2017/07/23
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