月と六ペンス

個数:1
紙書籍版価格
¥990
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

月と六ペンス

  • 著者名:ウィリアム・サマセット・モーム/土屋政雄
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 光文社(2014/08発売)
  • 3月の締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~3/31)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334751586

ファイル: /

内容説明

新進作家の「私」は、知り合いのストリックランド夫人が催した晩餐会で株式仲買人をしている彼女の夫を紹介される。特別な印象のない人物だったが、ある日突然、女とパリへ出奔したという噂を聞く。夫人の依頼により、海を渡って彼を見つけ出しはしたのだが……。創造の悪魔に憑かれた男ゴーギャンをモデルに、最期まで絵筆を手放さなかった男の執念と情熱を描く、20世紀の大ベストセラー小説を決定訳で。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

136
岩波の雑誌「図書」で柳広司さんが何度も読んだ本ということで取り上げられていたので私も数十年ぶりに読みなおしました。高校時代には受験のためにペンギンブックスでも読んでいました。主人公はゴーギャンがモデルといわれていることもありますが、そんなことを考えずに読んでもエンターテイメントとしては楽しめます。一人の男の波乱万丈な生涯をうまく描いています。2017/10/13

マーム

123
久々に手にした古典文学。やはり時を経て読み継がれる物語は面白いのだということを改めて実感させられました。家族を捨て40歳にして株式の仲買人から画家に転身したストリックランドは身勝手で乱暴、他人に嫌みしか言わない性格破綻者。他人の奥さんを寝取り、挙げ句の果てに自殺に追い遣る傍若無人な態度は物語の主人公としては面白い。画家ゴーギャンをモデルに書かれたとされるこの作品ですが、実像にどれぐらい近いのか気になります。「肉欲なら分かる。それは正常で、健康的だ。対して、愛は病気だ。」という彼の言葉が個人的には印象的。2012/09/07

優希

93
ゴーギャンをモデルにした作品です。突如画家に転身したストリックランドを追いかけていく語りには、彼を何が芸術へと突き動かす原動力であるかは不可解でありながら魅了されて行くのが感じられました。タヒチの色鮮やかな情景が眩しかったです。人物のことがよくわからなくても芸術は人を物語っているように感じられたのは終盤の果物の色彩が鮮やかだったからでしょう。美を追い続け、全てを犠牲にした覚悟には驚異を感じずにはいられませんでした。病にかかろうとも美・真実・情熱があったから、彼は幸せだったと思いたいです。2015/04/13

Willie the Wildcat

88
心底の矛盾・混同。物質性vs.精神性、愛情vs.虚栄心、誠実vs.偽善、目的vs.手段。主人公の眼を通した登場人物1人1人の欲と、対極かのようなストリックランド。問いかけるその最期における幸せ。ストリックランド夫人、ブランチ、そしてアタ。3人の女性の心情にその解がある気がする。但し、唯一無二の正解ではない。ストリックランドの涙の心情に様々な示唆。錯綜する心の乱れに正直であることは理想も、苦悩するのが人間。昨年訪れた『ゴッホとゴーギャン展』が脳裏に浮かぶ。表題を日本的に言えば「木を見て森を見ず」という印象。2017/01/12

molysk

79
20世紀初頭ロンドン。株式仲買人の仕事を投げ出し、よき夫、父としての役割を放棄して、突如パリに出奔した中年男、ストリックランド。関心はただ絵を描くことのみに向けられ、それ以外には冷酷な無関心を貫き、周囲との軋轢を生む。流浪の末、タヒチで病に肉体を蝕まれながらも、壁一面に自らのすべてを描き切り、死を迎える。原始的で官能的な芸術への欲求が、西洋文明から離れたタヒチの地で花開く、という経緯は、モデルと目されるゴーギャンと軌を一にする。「月」は芸術への本能的な情熱、「六ペンス」は対となる世俗的なものだろうか。2020/12/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/539328
  • ご注意事項