栄花物語

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栄花物語

  • 著者名:山本周五郎
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 新潮社(2012/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101134215

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内容説明

徳川中期、時の先覚者として政治改革を理想に、非難と悪罵の怒号のなか、頑なまでに己れの意志を貫き通す老中田沼意次――従来、賄賂政治の代名詞のような存在であった田沼親子は、商業資本の擡頭を見通した進取の政治家であったという、新しい視点から、絶望の淵にあって、孤独に耐え、改革を押し進めんとする不屈の人間像を、時流に翻弄される男女の諸相を通して描く歴史長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

タツ フカガワ

56
再読。反田沼の元旗本で戯作者の青山信二郎と、彼の親友で大身旗本に婿入りした藤代保之助、そして田沼意次3人の視点で描かれる濃密な人間ドラマ。賄賂政治の権化として時代小説では悪役の定位賃に座る田沼意次を幕政の改革者という解釈で捉えた内容で、松平定信の造形も革新的です。世評とは真逆の解釈というので思い出すのは『樅ノ木は残った』の原田甲斐。こちらも近々読み直したいものです。2024/06/08

ちゃいろ子

37
読んでいて辛かった。 身分も異質、政策も当時の武士階級の人々にとって異質だった田沼意次。時期も悪かった。意次を追い落としたい政敵たちが流した悪評が飢饉や天災で苦しむ庶民に広がり全て田沼が悪いという標的になり。 田沼と、青山信二郎、河井保之助という武家たちの人生を柱に、3人の人生が絡み合うようにして進んでいくのだが。信念に従い生きているだけなのに悪い方向に向かっていく様子が辛い。 それでも読後、澄み切った水のような、 それが人間なのだという清々しいものを感じるのは不思議だ。 山本周五郎節だなぁと。 2025/03/02

aponchan

28
面白かったが重かった。自分の人生を改めて振り返りさせられる。田沼意次のイメージも変わるし、何故そこまで頑張れるのか、頑張っても評価はされない事の難しさは、今にも通じている気がする。 改めて、色々、思うところがある作品だった。2022/08/25

とみやん📖

24
田沼父子が活躍した時代に、旗本等下級武士青山、藤代の儚い人生を描いたもの。 通説を逆に捉え直し、かつあがなえない悲運の中で葛藤しながら自分らしく生きるといった点で、著者の代表作「樅の木は~」と共通しているものの、こちらが先の作品のよう。両作品とも、昭和20年代後半の作品なので、敗戦後の価値観の逆転が著者に影響しているのかもしれない。長編ながら展開があり飽きさせない。物悲しいなかに、生きる力強さを感じさせる良作。2018/02/13

rokubrain

23
世の中的には賄賂政治家として悪玉と評されてきた田沼意次が、実は善玉だったのではないかと解釈をひっくり返して見せたのが、 山本周五郎のこの小説だった、ということを知った。幕府経済をいかに建て直すか。まちがった善やありもしない道徳を守り本尊として 飼いならされた犬 というのが大衆、 という警句をこの小説で伝えたかったのかもしれない。 古さを感じさせない。むしろ現代にも通じる人間の行動心理が感じられた。 山本周五郎はさすがだな。2022/09/04

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