栄花物語

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栄花物語

  • 著者名:山本周五郎
  • 価格 ¥902(本体¥820)
  • 新潮社(2012/11発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101134215

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内容説明

徳川中期、時の先覚者として政治改革を理想に、非難と悪罵の怒号のなか、頑なまでに己れの意志を貫き通す老中田沼意次――従来、賄賂政治の代名詞のような存在であった田沼親子は、商業資本の擡頭を見通した進取の政治家であったという、新しい視点から、絶望の淵にあって、孤独に耐え、改革を押し進めんとする不屈の人間像を、時流に翻弄される男女の諸相を通して描く歴史長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

aponchan

27
面白かったが重かった。自分の人生を改めて振り返りさせられる。田沼意次のイメージも変わるし、何故そこまで頑張れるのか、頑張っても評価はされない事の難しさは、今にも通じている気がする。 改めて、色々、思うところがある作品だった。2022/08/25

rokubrain

22
世の中的には賄賂政治家として悪玉と評されてきた田沼意次が、実は善玉だったのではないかと解釈をひっくり返して見せたのが、 山本周五郎のこの小説だった、ということを知った。幕府経済をいかに建て直すか。まちがった善やありもしない道徳を守り本尊として 飼いならされた犬 というのが大衆、 という警句をこの小説で伝えたかったのかもしれない。 古さを感じさせない。むしろ現代にも通じる人間の行動心理が感じられた。 山本周五郎はさすがだな。2022/09/04

とみやん📖

22
田沼父子が活躍した時代に、旗本等下級武士青山、藤代の儚い人生を描いたもの。 通説を逆に捉え直し、かつあがなえない悲運の中で葛藤しながら自分らしく生きるといった点で、著者の代表作「樅の木は~」と共通しているものの、こちらが先の作品のよう。両作品とも、昭和20年代後半の作品なので、敗戦後の価値観の逆転が著者に影響しているのかもしれない。長編ながら展開があり飽きさせない。物悲しいなかに、生きる力強さを感じさせる良作。2018/02/13

そうたそ

21
★★★☆☆ 汚れた政治という田沼意次のイメージを覆すようなイメージのもと紡がれる物語。とはいえ、田沼のそういったイメージが蔓延していたのも一昔前のことであり、今では再評価されている。だがそうではなかった当時にこの作品を読んだ人は驚いただろう。ただ本作は田沼を描いた話ではない。あくまで一要素。田沼の統治する時代、様々な運命に翻弄される市井の人々が描かれる。面白いが、色々書きすぎた分、雑多になってしまった感がある。テーマ性という点では今ひとつ。純粋に田沼意次の話を読みたかったかな。2020/11/01

hit4papa

20
賄賂政治で悪名高い田沼意次を、幕府の経済基盤の再構築を目指す政治家ととして描いています。旧態然とした武家社会にこだわる松平定信と新しい時代に即した理想を掲げる意次の対立は、現代の政治に似たところがあって興味深いです。

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