内容説明
鏡の向こうは有栖(アリス)の世界。謎に満ちた世界にようこそ。著者のミステリ的思考回路は何を考えているのか? 台湾訪問で著者が感じたミステリへの思いとは? 日々の生活、映画、不思議な事件、そして阪神タイガース……。デビュー20年目を迎えた作家、有栖川有栖が紡ぐ、透明なエッセイ集――。
目次
本格だったり、ミステリだったり
観たり、聴いたり
日常だったり、生活だったり―ミステリーカフェ
勝ったり、負けたり
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
58
ミステリ作家のエッセイ集。ミステリ、映画、日常、野球を思う存分語りつくしている。語られている内容や紹介されたものに興味を抱かずにはいられないのは、それに対する著者の愛が漂ってくるからかなあ。ただし野球はあまり良くわからなかったけど。日常のあれこれや紹介された映画も面白かったけど、やはり一番興味を惹かれたのはミステリについて。台湾のミステリ事情や容疑者X論争、『女王国の城』等、当時のミステリ界の動向に触れたものが多かったからかな。著者の人柄を反映した作品ばかりで、読みながらこちらも楽しくなってくる本でした。2018/06/15
Yuki
39
本格ミステリ・映画・日常・野球観戦といつもの有栖川エッセイ。のっけから台湾ブックフェアでの「火村って国際的にとんでもない奴である」で吹き出した。担当編集の結婚披露パーティーの会場で書き上げた原稿を渡した過去とか、偽有栖川宮事件でいじられたとか、いちいち笑ってしまう。ちょうど「女王国の城」が出た頃のエッセイが含まれていることもあって、江神さんについての文章があったり、よく見るチェシャ猫マークの由来も知れるのがファンには嬉しい。野球の話で熱が入るのは、スポーツのご贔屓がある人の習性なので微笑ましいってことで。2018/03/31
スケキヨ
18
「読みたいのに、活字が頭に入らない時」に、有栖川さんのエッセイはとても気持ち良く読めました。言葉の選び方から、物事への感受性、柔らかな物腰と関西弁(大阪弁)が無理なく頭に入ってきました。2012/05/08
ミナコ@灯れ松明の火
16
過去の猫たちが残した痕跡を見て思いにふけるところで、思わず落涙しそうになった。そういえば火村先生も猫飼ってたなあ、、と読み返したい熱再燃。ユーモアのベールに包んではいるけれど、結構毒のあることも言ってらっしゃるなあ、と。それでも嫌な気分にならないのは、はやり品の成せる技なのかなあ。2011/09/05
黒猫
13
エッセイ集は初めて読んだ。好きな作家とはいえ、作品とエッセイって違ってくるからどうかなと思ったけど……とても楽しめました。ユーモアのある文章で所々クスッと笑わせてくれるのが良い。「見ていたのは、あんたたちだけだ!」のゴルフの話は1番笑った。電車の中じゃなくて良かった。それと『クローズドサークル』って言葉が有栖川有栖の作品から広まったのは驚き!他のエッセイ集も是非読まないとね、これは( ^ω^ )2014/07/22