もう、さよならは言わない

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もう、さよならは言わない

  • 著者名:榊邦彦
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 新潮社(2011/10発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784103035725

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内容説明

妻・菜緒子が癌で旅立った日から二ヵ月、翼と二人きりの誕生日を迎えた僕のパソコンに不思議なメールが着信した。余命半年を宣告された菜緒子が、自分のいない家族に宛てたメッセージ。「ありがとう」を伝えられなかった僕は、彼女に届くことのない返事を書くが……。永遠に逢えない二人の思いが交錯する、静謐な愛の物語。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

モルク

82
進行のはやいスキルス胃癌を患った妻菜緒子、診断を受けたときには既にステージⅣ余命半年だった。そして小さな目標であった息子の誕生日を目前に力尽きる。最愛の夫と息子を残して旅立たねばならなかった菜緒子の思い、無念、辛さが切なく、何度も涙した。でも、残された者は、辛くとも進んでいく。それは決して「忘れる」ことではない。息子である翼くんのけなげさが身にしみる。今後新たな幸せをつかむことに向かっていきそうな気配が漂うが、それも亡き妻の願い。とても感動し涙し…多くの人に読んでほしい良作だった。2018/08/21

ぶんこ

72
夫婦で記念日にカードをやりとりしていて、妻が亡くなった後に読み返してみると、全てに「ありがとう」の言葉が添えられている事に気付いた夫。 妻には「ありがとう」を言っていないと悔やむ姿を読んで、自分も夫へのカードに書いた事が無いと気付きました。 まだ幼い我が子を残して先立つ菜緒子さんの悔しさを思うと堪りませんでした。 仲のよかった夫婦であり、親子だけに切ないです。 この親子と向き合う洋子さんは辛く無いのかなと思ってしまいました。 2016/01/02

おかだ

58
とても良かった。突然の病で愛する夫と可愛い子供を残して旅立たねばならなかった妻、最愛の人を亡くした家族の物語。ただでさえ泣ける設定なのに『わすれられないおくりもの』の引用が追い打ちをかけてくる。泣いた…。1年半、きっと辛い事もやりきれない思いもいっぱいあっただろう。けれど大切な人がいなくなった日々を、悲しみで塗り潰すのではなく、優しくあたたかい気持ちで満たしていく。「ありがとう」という言葉の大切さに改めて気付かされた。タイトルも、とても前向きな意味なんだなぁ…感動した。2018/01/23

エンリケ

47
記念日に届く亡き妻からのメール。交換したメッセージカード。そして様々な思い出。この物語には終始切ない想いが流れている。でも遺された子供の成長は眩く、それを見守る大人達の眼差しは温かい。愛する人に感謝を伝えるよりも、感謝される事をするのが大切。主人公が到達した亡き妻の深い愛情に報いる方法。幼い息子の「ありがとう」がきっかけで悟った事。妻の心は子供に宿り、これから何度もこの言葉を話すだろう。そして保育士との微妙な関係はある予感を残す。寒い冬だからこそ感じる大事な人の暖かさ。不幸なはずのお話に暫し癒された。2015/12/10

ミーコ

41
以前に読んだかも…と思いながら読み始めて やっぱり再読でしたが 細部は忘れていたので 新たな気持ちで読めました。悲しいお話なのに 前へ進んで行く父と子に希望を貰いました。丁寧な文章だと思います。 きっと お母さんは空の上から見守っていてくれる事でしょう…。 洋子先生が 新たな家族に加わりそうですね。幸あれ と願わずにはいられません。2014/01/29

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