内容説明
世界に存在する言語数は七千にも及ぶ。単純に計算すると、一つの国で何と三十以上もの言語が使われていることになる。その中から四十六の主な言語を取り上げ、成り立ち、使われている地域、話者数、独自の民族文化を徹底ガイド。言葉を使うとは、単に他者に意味を伝達するだけではない、社会的なアイデンティティーを表すことでもある。言葉の奥深さ、多様さ、面白さ、そして社会情勢にかかわる背景などを紹介する。
目次
第1章 ヨーロッパ(スペイン語;ポルトガル語;イタリア語;フランス語;バスク語;アイルランド語;オランダ語;ワロン語・フラマン語;ドイツ語;ギリシャ語;ルーマニア語;セルビア語・クロアチア語;ハンガリー語;チェコ語・スロバキア語;ポーランド語;フィンランド語;スカンジナビア諸語;バルト三国;ロシア語)
第2章 アジア(タミル語;インド英語;シンハラ語;ベトナム語;ラオ語;ウイグル語;チベット語;モンゴル語;広東語;台湾語;韓国語(朝鮮語)
日本語)
第3章 中東、アフリカ(アラビア語;ペルシア語;トルコ語;アフガニスタンの公用語;チュルク諸語;グルジア語;クルド語;ヘブライ語;スワヒリ語;南アフリカの公用語)
第4章 アメリカ大陸、その他(英語;ケベックのフランス語;国連公用語)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新地学@児童書病発動中
100
世界中の言葉の特徴を簡潔に紹介していく本。私のような言葉のマニアにはたまらなく面白い内容だった。公平で客観的な記述に好感が持てる。日本語と同じように、接頭辞や接尾辞が重要な役割を持つ膠着語の多いのが意外だった。英語の優位性にも触れられているが(「もっとも有用な言葉である」200ページ)、絶対的な規範を与える英語はないと著者は言う。南米で使われているケチュア語については、本書を読んで初めて知った。日本に住んでいると日本語だけの世界に安住しがちになるが、世界中の言葉に親しむことで自分の世界を広げられると思う。2018/05/01
Kikuyo
23
隣り合うのに、言語的には全く異なった歴史を歩んだり、ほぼ方言であるかのように似通った言語があるなどいろいろ面白い。言語という切り口でざっくりと世界一周してた気分。せっかく興味深い内容ながらすぐ忘れてしまいそうだけど^_^;。各節の結びとして、 簡潔に日本との関係が述べられているのも良かった。その国の言語を知ることは社会情勢やその国を知ること。言葉とは奥深いものです。2018/05/30
skunk_c
22
約10年前に出された、世界の言語を簡潔に紹介する本。雑誌連載をまとめたものなので、コンパクトで読みやすい。言語は民族にとって最も重要な文化的要素であり、ヨーロッパでは民族は言語で区分するくらい。一方コミュニケーションの手段として、広く使われることの意義もある。このあたりの兼ね合いが面白かった。興味深い話としては、アイルランドでは共通語として第2公用語の英語の方が圧倒的に用いられているということ。植民地支配の名残なのかも知れないが、北アイルランドの民族紛争は、かなり宗教的な要素が強かったと言うことかな。2018/07/01
makio37
11
全世界で7000にも及ぶ言語のうちの、主要な46言語の紹介。一言語あたり4頁で簡潔にまとまっていて読みやすく、使用言語の分布図を見るのもおもしろい。例えばクルド語の分布がトルコ・シリア・イラク・イラン等にまたがる図や、同じカフカス諸語に属するグルジア語・アブハズ語・チェチェン語等が互いに全く通じない事実などはニュースを見る上で参考になる。また、改めて日本語を見直すことにもなった。ローマ字へ転換したベトナム語と対照的であることや、「膠着語」の仲間は世界に意外と多い点など。2016/03/12
yasukotta
9
世界を四つのエリア(ヨーロッパ、アジア、中東・アフリカ、アメリカ大陸・その他)に分け、それぞれのエリアの個々の言語(当然網羅的ではありません)について4ページ程度で記述しています。言語そのものについての記述よりもその言語が話されている国などの歴史的な記述が豊富であるように思えました。その点で、言語に強く関心がある人にとってはいまいちかもしれません。私も言語に関心があるのは間違いないのですが、それでも歴史的・民族的な情報が簡潔にわかりやすくまとめられていることに単純にすごいと思いました。2020/03/25
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