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内容説明
源氏物語研究の第一人者が読み解く物語の秘所。逢瀬、すなわち男女の情交の場面は、男と女が一対一で向き合う緊迫した真剣勝負の場である。そこでは光源氏の物語の中での役割を超えて、女君一人ひとりの個性的な感性・心情・ふるまいなどが、おのずと際立って現れる。そこにこそ、それぞれの女君が源氏との関係を生かされることで背負わなければならない問題、女の生き方の問題がおのずと鋭く現れる。
目次
第1章 光源氏の運命を左右する女君たち(葵の上;藤壷の中宮;六条の御息所;朧月夜の君;紫の上;明石の君;女三の宮)
第2章 男君の執念(愛執の罪;柏木と女三の宮;夕霧と落葉の宮)
第3章 性を拒否する女君(薫と大君;薫と浮舟と匂宮)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
冬見
22
簡潔にまとまっていながらも読み応えのある一冊。「源氏物語は恋愛遍歴の物語でもないし、江戸の艶本のようなものでも、現代のポルノ小説のようなものでもない。そしてまた、甘美なロマンスでさえなく、王朝の雅を描いた物語でさえない。むしろ、とても深刻で無惨な物語という方が当たっている」その通り。声を大にして言いたい。『源氏物語』を読んでいる/筋を知っていることが前提で進められるので、未読の方はまず巻末の付録を見るべし。2016/12/06
ハルカ
3
「やっぱり紫式部すげぇ」の一冊。「いはけなし」や「あさましき」とかの表現を重ねることで、異なる場面がオーバーラップしたり、男と女との関係性のテーマを深化させたりと、原文に仕込まれていた伏線の数々に成程と唸る発見がいっぱいあった。柏木の女三宮に対するマゾヒズム的な捉え方も面白い。結婚=ご対面みたいな当時の色恋では噂だけ聞いてて、遠目に見ただけなんて期待が高まって男の中で崇高に仕立て上げられるのかね。宮中では女が政治の道具の様な扱いを受けてただけに、それを見てきた紫式部の考えは否定的だったのかも。2012/11/06
中将(予備役)
2
この厚さの新書としては、非常に濃い内容だった。人の世は業が深い。2014/12/26
いずみ
2
単純かもしれないけど、夕霧を少し嫌いになった。その代わり毛嫌いしていた薫は前よりも好ましく思える。 柏木・女三宮の事件がその後反復されるというのはなるほど!という感じ。宇治十帖もしっかり読んでおかなくては。2014/09/19
三井陽子
1
男性らしい源氏物語研究。源氏の子供達が天皇、后、太政大臣っていう再確認と、プラトニックに回帰しかけて果たされない悲劇っぷりと、話型の解説が面白かった。2014/04/29
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