内容説明
「近年、新刊書店にはご無沙汰しがちなのに、古本屋歩きはやむことがない。日々どこか一軒は覗いてみないと、一日の納まりがつかない気がする。本というものは古本屋に置かれてこそ、その真価があらわになると思うのは、勝手な思い込みだろうか。私の古本屋歩きは定まった目的を設けない。当面、何が必要でもないのだから、ジャンルも問わない。世間の注目や専門的評価とも無関係。偶然そこにあって好奇心を刺戟する本に出会う。むろん、安いに越したことはない。つまり、ありていに申せば、古本屋歩きは雑本の楽しみに尽きるのである」じっとスクリーンに見入っていたかと思いきや、ただひたすら古書との一期一会の出会いを求めて、あの町この町神出鬼没。東京一帯の老舗はもちろん、ニューウェイヴ書店から旅先で立ち寄った店まで、その数、いっさい重複なしのおよそ180軒。さて映画史研究家、いったいどんな本を、どこでいくらで買って読んだのか。雑本哀楽、5年間の記録です。
目次
1 雑本耽綺2003(地元に仁義を。世田谷経堂篇 飛んで雪降る札幌篇 ほか)
2 雑本無頼2004(湘南スタイル、古書は藤沢篇 ワザにつられて蔵前―浅草篇 ほか)
3 雑本流転2005(決め手は浪曲。祖師ヶ谷大蔵篇 坂を下って心は動く渋谷篇 ほか)
4 雑本無常2006(新興激戦区ニシオギ篇 ジャズと新丸子―登戸篇 ほか)
5 雑本夢幻2007(暖冬の明大前―桜上水往来篇 ぶらり市川、日和下駄篇 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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しかし、どこどこで何を買ったのか(値段もふくめて)をただ書いているだけなのに何でこんなに楽しいのだろうか。ここで、著者が手に取る本は、自分にはあまり馴染みのない本ばかりで、古本はやっぱりこういうのが醍醐味だよなとは思いながらも、それは決して稀少本とか(それゆえに値段が張る)ではなくて、高くても数千円、だいたいは数百円の本(安いと30円)の本を「狩猟」するのであって、変な親近感を抱いてしまう。しかし、東京にいたころ、著者のようにアクティブに古本屋廻りをしなかったが、古本屋通いは楽しかったことを思い出した。2017/02/24
新地学@児童書病発動中
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ただ古本を買うこと書いた日記だが意外に面白かった。自分の知らない面白そうな本が、この世にはまだまだたくさんあるなあと思う。2011/07/16
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