内容説明
中学のバレー部に、顧問教師の勧誘で入部してきた「あなた」に私は憧れ、一緒に帰宅できるともだちになれたことが嬉しかった。が、注目を浴びるほどにミスばかりを繰り返す私は、「笑ってんじゃねえよ! 」というあなたの言葉に凍りつく。痛みという実体を伴った怒りの向かう先を凝視する、渾身の長編小説。(講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダリヤ
13
がくせいじだいのなつかしいにおい、なつかしいそうおん、なつかしいいたみをおもいだした。よみながらわたしは、かのじょのなかにうずまく、いたみといかりをはだでかんじるくらい、なまなましいぶんしょうにひきこまれた。2011/09/03
こだま
10
図書館で、何だろうこの題名は?と興味を持ち読んでみました。美大の予備校に通う現在と、中学校の部活時代が交互に描かれています。ざっくり言えばいじめられる側視点のいじめの話です。表現が妙に生々しくて、読んでいて気持ち悪くなりました。2016/10/05
みゃーこ
8
著者自身が深く傷ついた体験を赤裸々に語り私の中のトラウマがえぐりだされていく。傷口がつつきまくられて痛みがぶり返していく。友達に刑を付けたことの感性がすごくスムーズに受け入れられる。学校っていったいなんだ?友達刑は非情で残酷な世界だ。 2012/08/15
のの
6
恐怖が崇拝に成り代わる瞬間がきっとあるんだと思う。そうでもしないと、イジメラレテイルことに対して、脳と心に決着がつかないというか。今まで読んだイジメにまつわる本の中でも、気持ちがリアルで忠実に書かれていて、薄いのに読み終わった後の疲労が深い。2013/07/18
星辺気楽
5
やはり経験をした人でないと書けないようなリアリティーがありました。2016/07/07