内容説明
夏目漱石、ボードレール、丸山真男。悩める少年・永野鉄男が、政治学者・姜尚中になるまでに、一体何があったのか。書物との出会い、それは快楽と苦悩を伴う、新たな旅へのいざないだった。在日二世の論客として発言を続ける著者が、青春期の苦悩をへて政治学者として世に出るまでに精神的支柱となった「座右の書」を厳選。だれもが読んでおきたい5冊の古典でたどる、注目の政治学者の原点。
目次
第1章 TOKYOが何だ!―夏目漱石『三四郎』(龍田山と三四郎池;「東京は太かねぇー」 ほか)
第2章 光栄ある後衛になる―ボードレール『悪の華』(魔の季節十七歳;「死」を垣間見る瞬間 ほか)
第3章 歴史は後戻りしない―T・K生『韓国からの通信』(命がけの記録;日本とアジアが動いた一九七〇年代 ほか)
第4章 すれっからしはブレない―丸山真男『日本の思想』(唯一の「入門書」;『日本の思想』の書かれた時代 ほか)
第5章 資本主義はどこへゆく―マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(もみの木の木陰にたたずむ墓;「意味」へのこだわり ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
105
姜尚中さんの自分の若い頃の考え方や社会に対して思っていたことを読書体験とつなぎあわせて書かれているものです。ですので取り上げている本の数は多くないのですがひとつの知性の小さいものですが輝きが見られます。私はやはり丸山真男とマックス・ウェーヴァーについての箇所が印象に残りました。2015/12/09
チョコモカ
18
今月は勝手に一人姜尚中祭り。通称名から本名を名乗るまで影響を受けた5冊の本を中心に、作者についてや作品が書かれた時代背景、著者が作品と出会った背景と受けた影響などを淡々としるす。何度かTVで見たような落ち着いた話し方そのままに。なんだか、美しい日本語に魅了されました。2015/11/05
退院した雨巫女。
11
《私‐図書館》【再読】「韓国からの通信」を読んでみたくなる。これからの日韓の行方が気になるしなあ。2013/06/14
Kaho
10
熊本の野球少年、永野鉄男から書物と出会い姜尚中になるまでの軌跡。第2章ボードレール『悪の華』が印象的。17歳の彼は、夢を断たれ拒絶感に苛まれる。死の影におびえ、寝付かれない。しかし輝かしい生涯でりたい。誰からも羨望のまなざしでみられたい。そう願っているが、現実は臆病で矮小な「凡人」だ…この年頃は誰しもそう思って悩んでいて、「心の闇」というクリシェ(常套文句)で片付けてしまわれがちだが、そうではない。ボードレールはもっと近い眼差しを向けているように思われる。…読んでみたくなったな。2015/01/07
しーふぉ
10
たまにTVで見かける姜尚中さんの大学時代に読んだ本を紹介しています。2014/04/20
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