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内容説明
「プロレタリアートによる権力の獲得は、革命を完成させるのではなく、ただそれを開始するだけである」。自らが発見した理論と法則によって権力を握り、指導者としてロシア革命を勝利に導いたのち、その理論と法則ゆえに最大級の異端として、もろとも歴史から葬り去られたトロツキー。その革命思想の理論的核心を展開した最重要の著作を、ロシア語原典から訳出。付録として本邦初訳の「レーニンとの意見の相違」ほか5論稿収録。
目次
第1章 本書の強いられた性格とその目的
第2章 永続革命はプロレタリアートによる「飛躍」ではなく、プロレタリアートの指導下での国民の刷新である
第3章「民主主義独裁」の三要素―諸階級、諸課題、政治力学
第4章 永続革命論は実践においてどんな姿で現われたか?
第5章 「民主主義独裁」はわが国において実現されたのか、そしてそれはいつのことか?
第6章 歴史的段階の飛び越えについて
第7章 民主主義独裁のスローガンは東方にとって今日何を意味するか?
第8章 マルクス主義から平和主義へ
付録
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
12
レーニンの後継者争いとしてスターリン一派(なんでスターリンについたのか謎だがトロツキーは論理的すぎて面倒くさかったのかな)がトロツキーの「永続革命論」なんて今立ち上がる時に俺たちのボリシェヴィキに反対しやがってという感じ。トロツキーは一つは農民の動きに疑問があった。都市労働者のプロレタリア独裁を目指していたのは世界と手を結べるから一国社会主義では他の資本国家には太刀打ち出来ないと考えていた。農民はプロレタリアから学ぶべきだみたいな(組織論とかそういうことかな)。2018/02/18
それん君
7
トロツキーが前衛としてソビエトを引っ張っているとしたら今の世の中どうなっていたんだろう。 多分共産主義の捉え方も今と大分異なると思う。 スターリン主義が一国資本主義だと位置付けた見方はとても新鮮だった。そう感じることで僕って全然理解出来てないんだと実感する。2017/02/09
かみかみ
5
評価:★★★★☆ 革命家トロツキーがロシアにおける革命がブルジョアによる革命を乗り越え、世界初のプロレタリアートによる権力掌握の革命になることを論ずる。その革命は間断なく続き、権力掌握後も絶え間無く変革が起こる故「永続革命」となる。その裏付けとしてのロシアの近代化が後発的だったために、西欧の最新の政治・経済的諸要素を享受して西欧と異なる「複合的発展」を遂げることを説いたことに感服した。そのような事情を無視してメシアニズムに走ったスターリンらの一国社会主義が破綻するのは必然だったのかもしれない。2013/07/17
壱萬参仟縁
4
改めて発展ペースは各国の個性の反映と思った。「社会主義社会は、生産と技術に関しては、資本主義と比べてより高度な段階を示すもの」(17ページ)を目指すという。技術革新はどうなのかと思う。1930年だから恐慌下での発想だ。永続革命とは「階級社会の完全な清算にいたってはじめて完成しうる」(55ページ)。また、社会発展段階での飛び越えの可能性は、国の経済的・文化的な潜在能力によって規定される(1975年、390ページ)。これはA.センにもつながる論点。後発性、後進性という概念は、現在の途上国貧困問題でも示唆あり。2012/12/26
らん
3
レーニン亡きあとスターリンではなくトロツキーがソ連を束ねたなら 何か違っていたのかな?と思ってみたものの 枝葉が違うだけで根っこは同じ。階級撤廃やらなんやら理想を掲げてみても 常に誰かが強烈なリーダーでいるしかないのが根っこの考え方かなと思う。共産国同士って仲がいいなと思ってたけど トロツキーの考え方なら理解できる。世界がひとつの国になればいいみたいなのって 理想を通り越えてて やっぱり怖い。2020/08/27