内容説明
喪中とはいつまでをいうのか。時代や社会の変化につれて、もとの意味や意義が薄れたり、変容してきた日本のしきたり。「私」「家」「共」「生」「死」という観点から、しきたりを日本文化として民俗学的に読み解く。
目次
1章 「私」のしきたり(縁起かつぎ 神だのみ)
2章 「家」のしきたり(正月 盆 節供・節分)
3章 「共」のしきたり(寄り合い まつり 相互扶助)
4章 「生」のしきたり(産のさまざま 名付けと初宮・食初め 七・五・三 年祝い)
5章 「死」のしきたり(葬式組 通夜と葬送 喪・年忌)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
8
「ムラの運営は、「寄り合い」ではかられ、とり決められることが多かった…まず、議長がいない…決議も、ほとんど多数決にたよることがない…たとえば、諺が文律以上に作用してきた。「他人の言葉は、一度飲みこんでから返せ」とか、「家に帰って年寄りに相談してからでも遅くはない」、「明日が逃げるわけではない」など…ときに即発しがちな苛立ちもおさえることができる…それでも、時どきに曲折がある…そんなときには、また長老の一言がきくのである。たとえば、「お互い、嫁を苦労させてはいけない」。それで、場の興奮状態がやわらぐ」2018/04/16
A.KI.
3
生活や人生の中で根付いているしきたりも、その本来の意味や由来がなんであったのかは失われていることが多い現代、あらためてそれらを知ってみようと思うならば、読んでみてよい本かと思います。本著でも触れられているしきたりの多くは、やはり日本が農耕民族であり、それに根ざしたものが多いと感じさせられます。が、農耕から遠く離れてしまった現在の都市部での生活では、こうしたしきたりを身を以て知ることが難しいということも改めて実感。知識としてでなく、実際に取り入れてみたいものもあるけれど、現代社会では、それもなかなか難しい。2016/02/16
さんとのれ
2
生活様式の変化に伴って多くのしきたりが簡素化、形骸化したが、根本にある敬意が失われない限りそれに対してさほど目くじら立てる必要はない、という姿勢に好感が持てる。最近ではネガティブなイメージが強く、自分自身も鬱陶しい存在だと思っていたムラやマチだが、そのシステムがなくなることによって大事な物が多く失われたという指摘には同意せざるを得ない。2015/05/27
けっち
1
日本文化、行事の伝承は 農耕民族ならではの生活の知恵から発展しなから生活に根いたもの、ムラからマチからひろがり、 個人から家族から子に 通じて広がり各地にそして今に繋がっている。2010/12/25
Hironori Miyahara
0
ハウツーでなく、かつそんなには難しくなく。田舎の暮らしを読み解くきっかけになるかも。移住希望者はぜひ。2017/01/30
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- 電子書籍
- 聖女が来るから「君を愛することはない」…




