内容説明
新聞記者の伊庭緑郎に騙されるような形で「名探偵とゆく 京都ミステリーツアー」にかり出された伊集院大介。そのツアー中に、伊庭が失踪し、やがて幽霊騒動が発生。旅行会社のシナリオとは思えないリアルな事件の続発に、参加者たちはうろたえ始める。「本物」の探偵の推理が旅行客を救う、シリーズ第13弾! (講談社文庫)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中原れい
48
やっぱり大介、と笑えた軽やかな作品。実際、解説で軽やかなの書いたってなってた。成功ですよ^^本格ものからは気持ちが離れてしまってる、と言い、作中でも盛んに大介やアトム君にその原因めいたことを語らせ、謎解きに興味のない客を描写するのは省いてるあたり、思いきっててエンタテイメントとして素敵。旅行社、役者を頼んで人件費こんなにかけたら、賞金ケチってもやっていけないでしょうねえ。ただ、スネ夫ママってちゃんと日本語?伊庭が消えると噺の進みが早いのも気の毒だけど〇でしたw(はっ!伊庭=ヘイスティングス?)2021/02/16
ako
16
「伊集院大介とゆく京都ミステリーツアー」に読者も参加してるかのような気持ちになる。口うるさいおばさん連中はどこのツアーにでもいるんでしょうね。だからこういうツアーは苦手です。重い推理小説の合間におつまみとして読むにはいいかもしれないけど作品としては残念でした。2017/09/11
agtk
10
ずっと前に買ってあったのをやっと読んだ。ご存知伊集院大介の事件簿……ん?事件簿なのか。まぁ一応最後に推理らしきものをしているからなぁ。いつ事件が起こるのかとジリジリしていたが、こういうことか。内容はともかく、栗本さんの文章のリズムは心地よい。当時こういう感じが続いていたので、リアルタイムで読まなかったのかな。2018/06/15
kagetrasama-aoi(葵・橘)
7
伊集院大介シリーズの第二十三作目。伊庭公こと”伊庭緑郎”が登場。ワトソン役として作者さまが造形されたけど、どうにもワトソンに成り切れなかった人物(笑)。この人が出てくるとお話がコメディチックになってしまうんですよね!結局ワトソンではなくて、小林少年めいたアトム君で落ち着いてますねぇ。……ということで、伊集院ものとしては伊庭公のせいでとっても散漫な展開なお話でした。京都大好きなので、楽しめましたけど(≧▽≦)!娘が京都の大学に通ったので、私も度々京都を訪れました。祇園祭、とにかく暑かったこと思い出しました。2017/06/02
kaizen@名古屋de朝活読書会
7
伊集院大介が登場する本は全部読んだと思っていました。Book Offでなにげに手に取ったら,未読だという気がしたので慌てて購入しました。 新幹線で大阪への往復で読みました。 ついつい、京都駅で降りたくなりました。 栗本薫が大阪へ取材旅行に行った副産物としてできた小説とのこと。 伊集院大介が、栗本薫の分身であることが分かります。 アトム君のような、話をきちんと聞いてくれる人とは一緒にいたいが、観光客のような人とは一緒にいたくない。 事件解決の際には、アトム君とも離れて一人で考えたり,作業したいことがある。 2011/07/13