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内容説明
世界は光と闇の永遠の闘争の舞台である。すべてがわかる決定版! 光と闇の闘争、天国と地獄、最後の審判、メシア思想――「宗教」の源流は古代ペルシアにある。「アーリア性」をキーワードに、現地調査と最新の知見をもとに描くゾロアスター教の全貌。(講談社選書メチエ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
25
古代イラン・アーリア人の諸宗教、すなわちゾロアスター教とその周辺についての歴史と影響をまとめた一般向け概説。著者は古代イラン人の歴史とその宗教の専門家。善悪二元論や終末論を備え、キリスト教やイスラム教はもとより、大乗仏教に影響を与えた可能性も指摘されるゾロアスター教だが、史料が少なく、特に成立に関しては始祖ザラスシュトラの生涯を含め多くが謎に包まれているという。どうもサーサーン朝ぐらいまではイラン人の支配宗教ですらなかったらしく、経典までもはっきり定まっていなかったそうな。古いようで新しい、不思議な宗教。2018/12/07
おはぎ
17
タイトルは「ゾロアスター教」だが実際は「イラン高原のアーリア人の諸宗教」の概説書(中心はゾロアスター教)。軽妙な語り口は好みが分かれるかもしれないが自分は好きでこの著者の本を読んでいる。ゾロアスター教と「イメージ」としてのヨーロッパへのその伝播には非常に興味を持ったので関連本を読みたい。ゾロアスター教に現代でも通じる魅力があることは間違いない。2024/08/12
いくら丼
13
ゾロアスター教成立の背景、その後の分化や伝播、現代と、広く記した概説書。個人的には少々物足りなかったものの、度々ユーモアの過る著者の筆致はさくっと読みやすく、一般の入門には良さそう。終章、西洋で翻弄されたザラスシュトラ像の話は面白かったです。ナチスぇ……。一点、ササン朝時代の女性に関しての記述。どうも文化の担い手が男性しかいないような書き方で、「やっぱり資料の偏りや社会構造だろうか」と思ったら……なるほどそもそも宗旨が男性「優位」を超えて、完全に男性視点だったんですね(笑)付録の『教訓の書』を読んで納得。2021/10/07
ジュンジュン
12
イスラームのもと消え去ったゾロアスター教の栄枯盛衰。専門家の矜持というか拘りだろうが、「ハカーマニシュ朝のダーラヤワウ1世」って誰?(=アケメネス朝のダレイオス1世の事)。このような固有名詞で躓くが、細部は別にして大きな歴史の流れは分かりやすい。2019/09/02
竜王五代の人
10
標題はゾロアスター教だが、中身はもう少し広く、古代アーリア人(イラン人)の宗教一般で、ゾロアスター教はその中の、ササン朝によって国家正統宗教として主流派となったものという。儀式の動作と呪文が合ってないとかのツッコミなどに青木節は出ているけどまだ弱め。ササン朝の国教となったゾロアスター教をカトリック教会になぞらえているが、カトリック教会が西ローマ帝国が滅んでも生き残ったように、ゾロアスター教会も3世紀も生き延びたとはたいしたもの。2023/01/19




