講談社学術文庫<br> 物部氏の伝承

個数:1
紙書籍版価格
¥1,298
  • 電子書籍
  • Reader

講談社学術文庫
物部氏の伝承

  • 著者名:畑井弘【著】
  • 価格 ¥1,265(本体¥1,150)
  • 講談社(2015/01発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061598652

ファイル: /

内容説明

大和朝廷で軍事的な職掌を担っていたとされる物部氏。しかし、その一族の実像は茫漠として、いまだ多くの謎に包まれている。記紀の伝承や物部氏の系譜を丹念にたどり、朝鮮語を手がかりに解読を試みると、そこには思いがけぬ真実の姿が浮かび上がってきた。既存の古代史観に疑問を投げかけ、作り上げられた物部氏の虚像を看破する著者独自の論考。(講談社学術文庫)

目次

はしがき
第一章 物部氏と物部連──饒速日命と可美真手命
 饒速日命/饒速日命は虚像である/原・饒速日命伝承/フツノ霊にほかならぬ饒速日命/「可美」は「ウマシ」にあらず/「甘酒」は「カム(剣)サル(矢)」/「カ怜国」とは「銅の国」/「可美」とは「カム」(剣)のことである/カムとツルギ……神・剣・山・柱/可美真手命伝承/可美真手命と宇麻志麻遅命/饒速日命・長髄彦・可美真手命の変貌/欝色雄命伝承/閑話休題
第二章 蛇と鵄──長髄彦伝承と神武の大和平定伝承
 長髄彦は銅鐸祭祀の蛇神族の魁帥/磐余の登美毘古/土蜘蛛と高句麗系鍛冶氏族日置氏/登美族を平定した畿内ヤマト王権/金色霊鵄/登美族/天富命/登美族の建国と「天神郊祀」/原・天照大神とサル田彦神/二つあった小野榛原の霊畤/大伴連家の「頭八咫烏」伝承/高句麗系らしい大伴の八十伴男/鴨と鵄と鷲/蛇から鵄へ──鍛冶神の交替
第三章 香の鍛冶王──伊香色雄命
 物部連の祖、伊香色雄/「赤銅八十梟帥」の一人だった伊香色雄/河内の伊香色雄と江北の伊香色雄/伊香の語義/「物部」八十氏の統合的象徴/銅の古語「カゴ」の発見/赤酸醤/天香山/香=香具=鹿児=軽=銅/軽矢・鹿児矢・真カゴノ鏃/日像の銅板/「羽羽」は蛇神/足名鉄・手名鉄・軽彦/天羽鞴/弥生時代と「カゴ」神信仰/大葉刈/高皇産霊と神皇産霊と伊香色雄命
第四章 鍛冶王のバラード──「物部氏」系譜伝承
 忍坂の鍛冶王 物部五十琴宿禰/安閑・宣化朝と布都久留流物部氏/三人の「目」大連/欽明朝と物部連尾輿/守屋で没落(モルラク(〔mol-rak〕))した弓削大連家/石上朝臣麻呂とその祖父の目大連/石上朝臣麻呂と物部連麻呂
第五章 石上神宮の謎──石上朝臣と布留宿禰
 石上神宮の創設と石上朝臣家の成立/石上坐布留御魂神社と布留宿禰の祖流/物部大臣を号した蘇我敏傍/「フツ」姫伝承の意味/馬古の妻「鎌姫」/倭古連の伝承/倭古連と結んで抬頭した弓削連尾輿/馬子の妻は「守屋の妹」なのか/布都姫の「財」/「武蔵臣」と山棲みの民/布留氏の「財」の根元、山棲みの民
物部氏系譜一覧表
学術文庫版あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こぽぞう☆

5
40年近く前に書かれた本なのか。あとがき読んでやや納得。私も朝鮮語には全く詳しくないのだが、こんなに乱暴に持ってきていいのか?と疑問に思うところ多々。例えば、日本語ではrとlの発音がごっちゃになるのはわかるが、朝鮮語でもそうなの?とか、現代朝鮮語と比べてるだけだし、とか。2015/12/24

Kazuya Nakagawa

2
古代史は漢字が読めないから嫌い。2017/11/08

くまきん

1
結論が前書きに書いてある(笑)。「物部氏」という氏族は存在しなかった。存在したのは兵器を中心とする金属器生産に携わった「物部八十供雄」氏族郡と、それらを統率してヤマト王権の軍事、祭祀的伴造としての職掌を担った「物部連」家たる氏族であったと。普通言う物部氏とはこの物部連の事であると著者は主張する。「先代旧事本紀」も日本書紀や古事記と同じように、幾つもの氏族に伝承を無理矢理くっつけて創りあげたものらしい。まあそうかもしれないとは思う。そして地名人名の真の意味を朝鮮語からあぶり出すのだが、ちょっとまった。現代2015/10/14

sikamo

0
「物部」=「もののふ」っていうのは成程って感じ。2017/01/11

可兒

0
目玉の朝鮮語対比の部分がよくわからん2014/08/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/48615
  • ご注意事項

最近チェックした商品