内容説明
親父が殺された。霊柩車に遭ったときに、親指を隠さなかった罰らしい」――なにげない親子の会話が、中学時代に友人からもらった不吉な手紙を思い出させた。それは迷信だと、一笑に付すことができない人の心。(「自信家」)ほかに「会葬者」「副葬品」など、短編の名手が、人の死の前後のさまざまなドラマを、ウィットあふれる筆致で描く、珠玉の連作ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
58
ミステリは殺人事件などを扱うのが王道だから、葬式のシーンが語られる事はたいへん多い。しかし葬式前後の物語に、絞ったミステリは有ったかちょっと思い浮かばない。死に関しての知識やユーモア、またタイトルが漢字3文字なのも洒落ている9つの短編集。淡々とした構成で、何が驚くというものではないが、人が亡くなる時の人間模様はひと味違う気になる。伏線がどうだというのではなく、物語の流れの中に、謎が自然に溶け込んでいる様な感じがする。「名人芸」は自分が骨になった時を考えてしまうと、笑えるのか諦められるのか、苦笑いしかない。2017/10/26
yumiDON
21
こ、これは!!なかなかの当りでした。死に纏わる短編集なのですが、おどろおどろしい感じではなく、かと言って感動系でもなく、不思議な爽快感を感じる話でした。機知に富んだというか、質の良さを感じる文章です。印象に残った話は、皮肉な展開が続く「空想力」生徒の祖父のためにゴルフ場の写真を入手しようとする教師の話で、先の読めない展開が面白かった「副葬品」先祖代々の墓には入りたくないと呟きをもらす母「名人芸」がラストのパンチがすごくてよかった。特に後の二つはどえー!!って驚きました。2015/05/12
涼
19
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2019/04/post-03e1.html2019/04/09
ちょん
1
佐野洋の本なので古いと思ってたら、2008年初版でした。 現在にも通じるお葬式の形が、色んなパターンで読めました(^-^)2014/08/03