内容説明
悪性の脳腫瘍で、死を宣告された男が200年後の世界に意識だけスリップした。地表は殺人ウイルスが蔓延し、人々は高さ2キロメートルの塔に閉じこめられ、完璧な階層社会を形成している未来へ。「…この物語は平凡な一人の男が、天を衝く塔を崩壊から救う。『ブルータワー』へようこそ! 夢みる力が決して失われる事のない世界へ」(著者の言葉)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
納間田 圭
108
200年後の人類は相変わらず戦争を繰り返した。核使用まではなかったが人道外れた生物兵器を使った。致死率90%のウイルス兵器だ。生き残った人類は地上には住めず高い建物で暮らした。その一つが…高さ2kmに及ぶ巨大なタワー。中では厳格な五つの階層があった。特殊な高さによる階層社会が生まれていた。そんな200年後の世界に…今の新宿高層マンションの55階に住んでいる余命幾ばくかの男が…精(心)だけタイムスリップ。現代で死にかけの男が未来の命を繋げる。そして彼女の左乳輪横の少し歪な二等辺三角形のほくろ…これが鍵2026/03/20
Tsuyoshi
71
石田さん初のSF作品。悪性の脳腫瘍で余命宣告をうけた瀬野周二は意識だけ「セノ・シュー」として200年後の世界にスリップする。その世界はウィルスが蔓延し、人々が高い塔内と地表に分けられた世界で救世主として元凶となったウィルスの特効薬を未来に伝える話。特に「愛のメモリー」は印象的。多少ご都合主義的な所もあったが、人々のために生きることが自分の為になるという思いは熱く伝わった。2017/11/22
ミュポトワ@猫mode
57
石田衣良先生、2冊目。この本が出版された時点での最長編を読了しました。石田衣良先生、文章上手いよね。引き込まれて結構一気に読んでしまった。この本の出版が2008年かぁ。その15年後にはマジ物のパンデミックが起きるとはだれにも予想できなかっただろうなぁ。亡くなられた方が大勢いるからあまりこういう発言は良くないのかもしれないけど、コロナウイルスで良かったよ…この本にあるウイルス使われたら、マジ物の生物兵器になっちゃうから。所詮人類はウイルスには勝てないんだよ…2025/07/18
ちょこまーぶる
35
やっぱりSF物は苦手かな?と思った一冊でした。脳腫瘍で死を宣告されている男が、200年後の世界と行き来して、崩壊寸前の世界を救うという話ですが、読んでいて所々で???となってしまいました。話としては、スリル満点で筆者の筆力に完敗といったところなんですが、もともとSFっぽい話にはついていく事が苦手意識があって、今回も陥ってしまいました。でも、ラストの殺人インフルエンザに対する主人公の行動には、身を捨てることの覚悟ができている人の言動なんだろうなと思いましたね。そして、また200年の絆が再開できますように。2026/05/30
タルシル📖ヨムノスキー
30
石田さんにしては珍しい本格SF作品。主人公は脳腫瘍の末期で余命いくばくもない男性。彼は脳腫瘍の発作に襲われるたびに21世紀から200年先の未来へ意識だけが飛ばされる。その200年後の世界というのが、人類が作り出した強毒性のインフルエンザに恐怖する世界。80年代のアニメ「戦闘メカ ザブングル」の世界観に近いかもしれない。いや強毒性のインフルエンザに恐れるという点から考えるとむしろ現代か。物語の中で幾度も語られる「全力で誰かのために働くことが、実は自分自身を救うことになる」というのがこの物語のテーマだろうか。2023/04/22
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