内容説明
「愛国心」という概念をめぐって、ナショナリズム、民主主義、共和主義などの思想史における議論を整理し、「愛国心教育」論争から大東亜戦争の兵士の心まで、日本に生きる人々の心の歴史を振り返る。
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目次
序論 なぜ愛国心なのか
第1章 愛国心という難問
第2章 愛国心と愛郷心とナショナリズム
第3章 愛国心と近代国家の論理
第4章 「負い目」をもつ日本の愛国心
第5章 歴史観という問題
第6章 日本の歴史観と愛国心
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
May
3
ナショナリズムって何だろうという単純な動機から読む。福沢、保田、丸山、江藤などの先人の論考を踏まえつつ展開される考察に、福沢や江藤には興味が沸いた(かつて様々な本で触れたときはそうでもなかった)が、参照される論考はもちろん、関連する基礎的知識もない身には、述べられているのが福沢らのものなのか、佐伯のものなのかすら判断できない(この辺は佐伯が悪いとも言えるが)。とはいえ、様々な考えに触れることはできたし、ナショナリズムというものが一義的なものではないとも納得がいったので、良い読書であったと思う。2020/03/18
スーさん
1
これまで佐伯啓思の著作を多く読んできたが、その中でも最良の一冊である。全面的な賛辞を惜しまない。なお、全面的な賛辞が、全面的な同意を意味するものではない。俄に「政治の季節」を迎えつつある現在、このような書物に出会えることは、非常に喜ばしいことである。本書を、国会周りの喧しいシュプレヒコールへの耳栓とし、座して思索に耽ることの方が、戦後七十年の節目を迎え我々にとって、真に必要なことではないだろうか。旧来型の、右翼左翼の政治的プロレスショーを見せられるのは、もう御免蒙りたい。2015/09/30
山名
1
公共の精神を持った主体性ある公民として国を愛するだけでは割り切れない何か(第二章)。戦後左派右派ともに共有した土壌からそれをあぶり出す(第四章)という試みだろうか。あの戦争における戦争賛美とも見られる一連の思想は、死と隣接していた人々が、どう向き合おうとしたのかを我々に示すメッセージなのではないか。平和憲法の理念から、戦う事よりも、それを拒絶し逃げる事が善であると演繹する人がよくいる。薄っぺらい観念的な結論である。逃げる事さえ許されなかった、死と隣合わせだった人たちの足跡を辿ると尚そう感じられる。2014/03/26
ねこみ
0
イイね2014/08/14
すぐる
0
△2013/10/19
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