- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「太陽の国メキシコ」と言えば、わたしたちは陽気なマリアッチや古代文明を思い起こす。だが重層的な民族構成や文化をもつメキシコは、「仮面をかぶった国」と言われ、なかなか素顔を見せない。この複雑なメキシコの歴史を、マヤやアステカにはじまり、植民地時代、レフォルマ戦争、メキシコ革命などをへて現代まで概説するとともに、イダルゴやサパタなど、それぞれの時代を特徴づける神がかり的な英雄たちを紹介する。
目次
第1章 文明の出合い
第2章 搾取と布教の時代
第3章 独立記念日
第4章 憎き星条旗
第5章 先住民の勇ましさ
第6章 白昼夢をみた皇帝
第7章 族長の功罪
第8章 革命精神は死んだのか
第9章 現代メキシコ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
46
日本ではメキシコは中南米に分類されるが、当のメキシコ人は北米にこだわる。多分それは国土の半分をアメリカに奪われたからだろう。そのあたりの事情から、アメリカを信用しないメキシコの様子が垣間見られる。一番面白かったのはメキシコ革命のくだりで、個性的な人物が権力を争うさまがドラマチック。映画を見ているようだった。クリオージョからメスティーソへと権力の中心が移っていくあたりも劇的。小学校の頃のオリンピックとその後のボクシングでよく流れていたメキシコ国歌のメロディはよく覚えているが、その歌詞の内容も紹介されている。2019/10/23
coolflat
14
メキシコの歴史、大まかな流れ。古代メキシコ期(~15C、テオティワカン文明、マヤ文明、アステカ文明)~スペイン植民地時代(15C~19C前半、途中1701年のスペイン継承戦争を経て、ハプスブルク朝→ブルボン朝へ)~メキシコ独立戦争(1810~1821年、イダルゴ)~米墨戦争(1846~1848年、サンタ・アナ期)~ナポレオン三世によるフランス干渉戦争(1861~1867年、フアレス期)~ディアス長期独裁政権時代(1867~1910年)~メキシコ革命(1910~1940年、マデロ、ビージャ、サパタ)~現代。2019/11/12
fseigojp
13
同系統で中米の歴史が望まれる グアテマラとかパナマとか2015/08/05
富士さん
8
物語シリーズ再読中。古代から説き起こして現在に至る、良くも悪くも標準的な通史でした。新書の値段でマイナーな国の歴史が手にできるというのはすばらしいですが、少々普通過ぎる感がありました。個人的には、不安定で暴力的な社会や政治の中で、メキシコの人たちは何を喜びとして生きてきたのかがとても気になります。その意味で、今につらなるメキシコの社会史、精神史な側面にフォーカスして紙幅を割いて欲しかったように思います。ここが薄いため、著者のメキシコへの思い入れが十分に伝わらず、せっかくの「物語」が用を成していません。2024/03/14
サアベドラ
7
人物中心のメキシコ通史。イダルゴ、フアレス、ディアス、サパタ、ビリャなど、登場する人物はどれも「英傑」の名にふさわしい強烈な個性の持ち主(独裁者多め)。そして彼らが権力を手にするときはいつも劇的で、流血を伴う場合がほとんど。中南米らしいといえばらしいけど、政治がずっとこんな調子じゃ国民はたまったもんじゃないなあなんて思う。2012/08/08